「私たち、発達障害と生きてます」

私たち、発達障害と生きてます―出会い、そして再生へ
 個々の内容を編集がだめにしている。

 「高機能自閉症、アスペルガー症候群など、発達障害という特性を持つ8人(20代から50代)の人生が凝縮。それぞれ、七転び八起き、必死で「生」と向きあって生き抜いてきたメンバーです」という紹介文がAMAZONに載っているが、構成がだめで半分ほどで投げ出した。
 第1章「発達障害と出会った!」、第2章「生きる上でのさまざまな困難」、第3章「私たちのサバイバル」という章立てで各章で8人の執筆者がそれぞれの経験を語り、章の最後に高森明という人が解説的な「考察」を記述している。
 それぞれの章での執筆順序はバラバラで第2章を読むには、この人が第1章で書いていた経歴や記述内容を思い出さないといけない。一気に読めば気にならないかもしれないが、分断したり、他の作業を入れたり、日にちを空けると難しい。
 このような構成にしたのは一人の上記3章分をまとめて掲載すると分量の問題や内容の問題もあり、最初の掲載者によって印象や評価が変わってしまう、あるいはぼくのように途中で投げ出す可能性を配慮した結果と思われるが、成功していない。
 一般的に舞台や人物を章立てで変えても読み続けられるのは、読者がその設定からしばらく離れてからまた戻ってきても記憶に残る程度の長さと内容が必要であり、この本の分量ではそれは難しい。(序文には頭から順番に読む方法のほかに執筆者ごとに読む方法も添えられてはいる)

 序文執筆者は新聞社部長との肩書きがあるが、各章の終わりで「考察」を書いている高森という人がどんな人なのかわからない。検索でヒットするのは本の著者としてであり、本人がアスペルガーで本を出しているというのは分かるが・・・。権威や専門家以外が考察してはいけないことはないが、少なくとも総括的な記述、あるいは執筆者代表的な立場であれば、略歴等は記しておくべきだろう。

 また用語の解説が少なく、分かりにくく誤解も生む。たとえば「支援を受けたい」という表現が各所に出てくるが「支援」とは何かの説明がない。医療なのか、介護なのか、話し合いなのか、あるいは経済面なのか。実はこの全部であることが多いのであるが、それをひとこと「支援」という単語で済ませるのであれば最初に解説をしないといけないだろう。

 個々の内容は貴重な報告が多く、傾聴に値する事実がちりばめられているように思えるだけに残念である。

 本当の専門医の少なさ、周囲の理解不足、家族の理解不足は聞きしに勝り、みなさん、大変な苦労をしている。その一方で、とりあえずここまで文章を書くことができたり、他人に迷惑をかけていると認識できるだけうちの娘よりよっぽどレベルが高いな、とも思う。

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腰部脊柱管狭窄症

中高年の坐骨神経痛―原因となる「腰部脊柱管狭窄症」の治療
 ついにこんな本のお世話になることになりました・・・。

 歩いていて足がしびれることが以前からたまにありましたが、最近、その頻度が増してきたので、病院へ行ったところ、「第4腰椎変性すべり症腰部脊柱管狭窄症の初期症状、進行性なので完治しません。内部をMRIで確認しましょう」とのことでMRI撮影。結果「もともと脊柱管が狭いですね。で患部は予想以上によくないです」と言われ、とりあえずビタミンB12や血行促進剤が投与され、「水中歩行など腰に負担のない運動をして、寝る前にストレッチを」と言われ・・・。
 まあ、加齢によるものもあり、仕方ないといえば仕方ないが、歩くことがいけない病気(というか歩いていると症状が発生する)なので山やの端くれとしては困ったことに。もっとも杖をついたりして腰が曲がった状態ならいいらしい。
 子供の頃から姿勢が悪いとか背筋を伸ばせと言われて来たのに、今度は背筋を伸ばすな、立っているときは何かに寄りかかれ、となってしまった。

 座っているときは何もないので仕事や日常生活には問題がないし、通勤電車でも何かにもたれているせいかしびれはほとんど出ないのだが、歩くと数分でしびれが始まる。一時期よりしびれの強さは減少しているので立っていられないほどのしびれはないが、もともと最近は10分以上連続して歩いたことがないので・・・。

 とりあえずずっとやっていなかったけど道具はそのままだったゴルフクラブは売りました。本当は減量して、腹筋をつけるのがいいらしい。
 道のりは遠い。

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細川貂々「ツレがうつになりまして」

ツレがうつになりまして
 細川 貂々「ツレがうつになりまして」を読んだ。
 PCサポートをやっていた39歳の夫がうつ病になってから徐々に回復するまでを漫画家である著者が漫画でレポートしたもの。相当の苦労があったはずだが、あくまで楽しく読めるように工夫している。
 うつ病の症状等はいろいろな場所で書かれているが、じゃあ、そういう人を抱える家庭は実際にはどんな感じなのか、本人はどうしているのか、というのはなかなか想像しにくい。また、うつ病になる兆候やきっかけは何だったのか、そういうことを具体的に表現していてなかなか良い本だと思う。

 もともとアスペルガー(だが高機能自閉症ではない、との本人申告あり)の家内が一時期うつ状態になったことがあり、この本の「つれ」と比較すると、軽くてよかったかもと思える。うちは娘がかなり特異で生活しにくい自閉症なので娘のほうには注意が向くが、家内のアスペルガー状態に慣れてしまったのか、はたまたぼくが鈍感だけなのか、当時何が原因でうつ状態になり、どうやって回復したのか、実はぜんぜん記憶にない・・・。ただ、やたらと買ったばかりのものや家内が仕事で必要なPCや備品をだああ~っと捨てようとしていたことだけは記憶に残っている。

 家内のレビュー

自閉症の僕が跳びはねる理由 もう1冊。東田直樹「自閉症の僕が跳びはねる理由」

 東田直樹君は中学から養護学校に入った軽い自閉症で、会話の苦手な彼がPCで書いた本である。自閉症の本人はなかなかこのような文章を書けないのでそれだけで貴重ではあるが、娘との比較で読むと「こういう場合はこうしてください」という彼の主張はあくまで彼のみに当てはまることであって自閉症の最大公約数ではない。こういう人が人材がマスメディアに露出することは悪いことではないが、すべての起業家がホリエモンではないことと同じで、見慣れないものを見るときにすべて同じ尺度で見ると危ないな、と思う。
 この本そのものについていえば、彼の主張に対して心療内科や精神科の専門家が個別にコメントなり解説をつけるべきではなかったか、と思う。

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障害者自立支援法の「世帯」

 障害者自立支援法の施行により福祉サービスの利用料金が原則1割負担となり、現在の32条による医療費負担も個人収入から世帯収入の判定となり、従来の負担ゼロあるいは5%が3割負担となる。
詳細はこちら

 さて、この世帯収入の「世帯」の定義がわからなかったが、上記のリンク先に明記してあった。
障害者自立支援法における新制度説明パンフレット【厚生労働省作成資料】
PDF版の5ページ。WORD版の10ページ。
以下、引用。
「なお、所得を判断する際の世帯の範囲は、住民基本台帳での世帯が原則ですが、住民票で同じ世帯となっていても税制と医療保険で被扶養者でなければ、障害のある方とその配偶者を別世帯の扱いとすることができます。」

 先日参加した勉強会では、T市のW市長が「世帯分離すればいいじゃない」と言ったらしいとの話があったが、上記によれば世帯分離をしなくても、世帯主の扶養控除をはずし、医療保険の分離をすればいいことになる。

 扶養控除をはずすのは簡単である。年末に世帯主の勤務先で配布される翌年度の控除申請で対象者を記載しなければいい。
 医療保険をはずすのも世帯主の勤務先の健保組合に申請すればよい。その代わり対象者は国民健康保険に加入が必要となる。この加入はすぐにできるが翌年くらいに世帯主宛に「年収130万円未満なら加入済の健保に被扶養者として加入できるので確認願いたい」という趣旨の照会があるようだ。
 ここでいう年収とはパートなど給与所得者は給料の全額(給与所得控除前)、個人事業主の場合は売上げ、ということになろう(経費や各種控除後の場合は「所得」という表現になるはず)。
 
 世帯主の所得控除は減るし、国保の保険料は支払う必要がある。それ以前に130万円以上の収入を得ることができるかどうかという問題もあるが、障害者自立支援法の施行により大幅に負担が増える世帯の場合は検討に値するだろう。

 P.S 年収(売上げ)130万円以上でも個人事業主など経費がかかる場合は「所得」が低くなる。市役所など窓口では課税証明(収入は記載されず所得が記載)で区別するようだ。

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障害者自立支援法の勉強会

障害者自立支援法の勉強会なるものに参加してきた。

司会は都議:原田恭子、講師は前回の総選挙であの伊藤公介に破れた民主党 石毛えい子

障害者自立支援法とは、今年から施行される法律で、概要から引用すると
「障害者の地域生活と就労を進め、自立を支援する観点から、障害者基本法の基本的理念にのっとり、これまで障害種別ごとに異なる法律に基づいて自立支援の観点から提供されてきた福祉サービス、公費負担医療等について、共通の制度の下で一元的に提供する仕組みを創設することとし、自立支援給付の対象者、内容、手続き等、地域生活支援事業、サービスの整備のための計画の作成、費用の負担等を定めるとともに、精神保健福祉法等の関係法律について所要の改正を行う。」というもの。
 
 まことに口当たりのよい説明であるが、要は、予算がなくなって来たのでこれまで以上に補助は打ち切るぞ、という趣旨で、成立以前から相当に問題ありとのことでいろいろ場所で批判があったが、郵政民営化のどさくさで成立した。

 施行細則が整備されないまま、支援制度が有料化だけが明確になっているので障害者はもちろん自治体も混乱しているので、いったい何が変るのかを確認しに行った。

 10分前に会場につくとそこは控え室かと思うような小さな場所で、参加者は全部で十数名というところか。以下は資料の抜粋。

現在は個人単位で補助の金額が決まったが、今後は世帯単位になる。
大きくは2つ。


1.福祉サービスの利用負担額
福祉サービスとは障害のある人のための通所施設、通所サービス、ホームヘルプ等のこと。例えば外出や留守番が困難な障害者を持つ家庭が外出時に施設に一時的に預ける、そのための送迎をしてもらうなどのサービスである。

 原則は1割負担となるが、下記の上限額を設定する。

世帯収入月額負担額
一般世帯  40,200円
市町村民税非課税世帯1
障害基礎年金1級を含みほぼ年収300万円以下
  24,600円
市町村民税非課税世帯2
ほぼ年収80万円以下(障害基礎年金2級相当額)
  15,000円
生活保護世帯   0円

  同じ世帯で別の人が障害福祉サービス、介護保険のサービスを受けている場合は合算額の上限が上記の金額となる。

 上記のほかにさらに年収が低ければもう少し軽減措置がある。

 【資産350万円以下で社会福祉法人のサービス利用時】
  低所得1:15,000円→7,500円
  低所得2:24,600円→12,300円
 利用者負担により生活保護世帯に該当する場合は、該当しなくなるまで負担を下げる。

 【食費・光熱水道費】
  原則全額自己負担。ただし世帯所得が低い場合は1/3にする(月22日で5,100円程度)

 収入が低い場合、サービス利用者負担と食費負担をしても手元に2.5万円残るようにします。
  



2.医療費の自己負担
 精神障害者など恒常的な通院や多くの常用薬の服用が必要であるが、医療費についての自己負担が変わる。

世帯年収月額負担額重度かつ継続的な場合
一般世帯対象外  20,000円
中間所得(市町村民税20万円未満)
     (市町村民税2万円未満)
  40,200円  10,000円
  10,000円  5,000円
低所得(市町村民税非課税かつ本人収入80万円超)
    (市町村民税非課税かつ本人収入80万円以下)
  5,000円
  2,500円
生活保護   0円   0円

市町村民税額はいずれも所得割の金額

【重度かつ継続的な場合の当面の判定】
・疾病、症状等から対象となる者
 精神:統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)
   精神医療に一定以上の経験を有する医師が判断した者
 更生 ・育成:腎臓機能・小腸機能・免疫機能障害

・疾病等に関わらず、高額な費用負担が継続することから対象となる者
     精神・更生・育成  医療保険の多数該当の者



要は個人でなくて世帯年収で決めますよ、ということ。
 
 世帯年収の仕切りは上記1が2よりも厳しい。(2は年収7百万円程度で補助なしとなる(下記注参照)が、1は年収3百万円以上で最高額の負担となる)
 
 ・例えば通所施設に通う場合には一般世帯だと毎月の負担額は
    負担額上限(40,200円)+食費実費(15,300円)+光熱費実費(?)=55,500円+?
    年間で70万円程度かかる。大学なみ・・・、しかも大学は4年で終わるがこれが永遠に続く・・・。

 ・低所得者の場合はいろいろ負担軽減してもらって就労しても手元に残るのは月に2.5万円!
 ある本によれば生活保護世帯は親子3人で年収440万円クラスの生活ができるらしいから、こっちの方がいい、という人も出るだろうなあ。
 ところで「資産350万円以下」って誰がどうやって調べるんでしょう?

  (注)2.医療費で市町村民税額の所得割が20万円とは、年収ベースで換算すると、夫婦子1名で控除(給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、社会保険控除(国民年金))を考慮すると、給与所得者でざっくり710万円くらい。

  従来と近い負担で済ますには世帯分離の必要がある。世帯分離とは要するに世帯主の控除からはずすということで同居は認められるが扶養しないことが前提となる。したがって世帯主が夫の場合、夫でひとつの世帯とし、妻と子供で別の世帯とすれば妻と子供の世帯は年収が低くなる。

 2については、特に精神障害者で家族には内緒で診療している人、32条申請をしている人などに大きな打撃となろう。通院できなくなり、自立支援法施行で自殺者が増加するといわれている。



以下は発言者を含め記憶によるものであり間違いがあるかも。

 石毛:はっきりしていることは、必ず負担が増えることだけ。

 原田:T市のW市長は世帯分離すればいい、と言ったのでT市では世帯分離を認めるのかなあ。

 石毛か原田:障害者から負担金を取る国は先進国では日本以外にはほとんどない。

石毛:そもそも本人に過失がなく障害になっているのに負担を求めるのは妥当なのかという議論がされていない。

 参加者:小規模な通所施設をやっているが4名の障害児を1人で面倒見ろと指導され、その分しか支払いがないが、多動の子やトイレの介護が必要な子がいる場合それでは廻らない。 また従来はなかった本人への負担額の請求事務が発生するが、この点も考慮されておらず、施設運営側にも負担が増加する。

P.S この勉強会の直前に開催されたT市の市長や議員も参加する障害者関係の集会には、たぶん来ないだろうとの大方の予想を裏切りあの伊藤公介が堂々と登場し、W市長は去年とはうって変わって露骨に嫌な顔をしたかどうかはわからないがすぐに帰ってしまったとか。

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