疋田智と妻(サイ)クリスト・ドロンジョーヌ恩田「明るい自転車相談室」

疋田智と妻(サイ)クリスト・ドロンジョーヌ恩田「明るい自転車相談室」
 知る人ぞ知る自転車界の有名人二人による3冊目。軽い。
 乗らない時間が長引くとこういうのを読んでストレス発散

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近藤史恵「サヴァイヴ」

近藤史恵「サヴァイヴ」
 「サクリファイス」「エデン」に続くシリーズだが、短篇集というか連作になっている。登場人物のメインどころである白石誓は変わらないが、彼とは直接からまない日本国内のチームが出てきて、中盤はこのチームの中の話になる。

 連作なので仕方ない面があるが、ひとつのレースの描画が少し短い。国内ではツールド北海道や沖縄にジャパンカップそして海外では世界選手権が描かれているが、レースの中をもう少し書いてほしかった。
 ただ、話としてはいずれもなかなか面白いが、アマゾンのレビューにもあるように、登場人物が苦しみすぎではないかと思う。
 体力を使うスポーツであり、彼らの多くは30歳以下であるが、この年齢でこんなに悩んだり、引退後のことを考えなければいけないのか・・・。特に日本ではマイナースポーツなので、実際にそうなのかもしれないが、能力ある若者がこれを読んで、ロードレーサーになろうと思うかなあ、という感じはする。

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伊藤礼「大東京ぐるぐる自転車」

伊藤礼「大東京ぐるぐる自転車」 前作「こぐこぐ自転車」が面白かったので、続編のこちらも読んでみた。

 前作がかなり衝撃的な面白さというか、こういうのもありかと発見の喜びがあったので、続編は発見の喜びはないものの、そもそもの面白さは同じ。

 相変わらず、78歳!の老骨に鞭打ちつつ、同年代や80歳オーバーのお爺さんチャリ小僧?たちはよく出かける。
 今回は「大東京」ということで基本的に東京だけの話であるが、それでもネタは持つ。
 もっともそれは純粋な自転車小旅行の記録とはならず、話がどんどんそれていつも規定の枚数では終わらず、次回に繰越したり、いきなり終わってしまう。
 感心するのは、老人のためか、元大学教授の博学のためか、はたまた伊藤整の息子であるからか、50過ぎの読者であるわたしにはなかなかついていけない知識がぽろぽろと出てくることであり、それがこの人の文体の面白さだろう。
 
 2階ほど近隣の多摩ニュータウン地区の話が出てくるが、著者はニュータウン開発以前の頃はこのあたりで猟銃をかついで猟をしていたらしい。小野路や野津田、はたまた現在の東京薬科大学のあたりだとのこと。野津田付近の綾部原トンネルや東京薬科大学付近の第3堀の内トンネルの開通に驚いたりしているが、この2つはこのあたりに20年近く住むわたしにとっても驚きである・・・。

 全く関係ないが、山岳展望ソフト「カシミール3D」が先日のバージョンアップで「空中写真(電子国土)」に対応したので、カシミール3Dの本体をインストールするだけで、無料で現在から過去の空中写真を見ることができるようになった。これでわたしの住む多摩市の開発の変遷がいつでもPCで見られるようになった。新興住宅地に住む人はこれで過去の写真を見ると開発前は実は沼地で、次の地震では液状化が現実化するかも、というようなことがわかる。

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伊藤礼「こぐこぐ自転車」

伊藤礼「こぐこぐ自転車」
 チャリ仲間にオススメと言われた本。
 面白い!

 著者・伊藤礼さんはかの伊藤整の息子。伊藤整といえば高校の頃、難解な文章に悩んだ小説家・評論家であり、その息子と知ってビビったが、年齢を感じる穏やかで小気味の効いたチョイわる老人的な語り口がとても面白い。
 まずは年齢。検索すればわかるが著者は1933年生まれ、刊行は2005年でその時、自転車を始めて4年になると書いており70歳近くなってから乗り始めている。たまたま入った町田の自転車屋で、GIANTの24インチの折りたたみ自転車を衝動買いしてから3年の間に6台の自転車を所有して乗り分け、北海道や東北など各地に仲間(平均年齢67歳)と輪行したり自走したりしている。
 ツーリング・サイクリングの本なのにトレーニングのかけらも出てこない。いや正確には、久我山の自宅から甲州街道を新宿まで何回も往復して鍛えているのだが、甲州街道を走る様子を細かく面白く描写しているので、トレーニングであることを忘れてしまう。

 ついでにいえば自宅が久我山で行動範囲が京王線沿線が多いため、ぼく的には土地勘があるためさらに読み易い。小野路でパンクして鶴川まで自転車を押していった話など「電話してくれれば」と思わずにはいられない。

 結局、こういう話はある程度マニアックな人がマニア向けに書く本だろうな、と、先日読んだ、江上剛の本を思い浮かべて思った。あの本が極めてつまらなかったのは、観察している江上さんが対象に対して評価できるほどの知識がないために、立派なものだとか、ありきたりの感想しか言えないところに原因があるのだろう。

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荒川ぐんぐん自転車旅マップ

荒川ぐんぐん自転車旅マップ - 自然いっぱいの源流から東京湾目指して全長173km、楽しい自転車旅が始まる


多摩川すいすい自転車旅マップ とか東京自転車抜け道ガイドとかの自転車用の本を出しているところの本なので、読みやすい。つぼを心得ている。
 荒川源流から河口までをいくつかに区切って解説しているが、雲取山に登ったりする脱線もあり、読み物としても面白い。
残念なのは高低差などの断面図が最初に全体のものしかないこと。河川敷のサイクリングコースなのでまあほとんど平らなのは間違いないけど、なんとなくそういうのはほしい。

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関東周辺サイクリングロード・ガイド

関東周辺サイクリングロード・ガイド

 関東周辺のサイクリングロードをまとめた1冊。地域別に比較的小さなサイクリングロードまで取り上げてあり、地図にそってポイントごとに写真入りで解説もあり、内容的にはなかなか良い。
 しかし、最大の弱点はそのポイントが地図の順番になっていないので、読むのが大変ということ。

 例えば、東京の野川サイクリングロードの場合、地図上には1から14までポイントがあるが、扉の写真が13である。これはまあこのサイクリングロードを代表する景色として許すとして、次のページには2,3、5,6、11、14を掲載、右上にコース外の休憩ポイントが9として掲載。次の見開きでは15,16,10、12.最後に6,7、1、4となる・・・。
 これが地図レイアウトとの関係で順番が崩れるなら理解できるがそうでもなさそう。

 コース概要のまとめも「甲信越周辺スポーツサイクリングコースガイド」あたりと比べると全然見劣りがする。まあサイクリングロードと通常のツーリングコースのガイドでは、ガイド方法が異なるとはいえ、内容そのものは問題ないだけに、このレイアウトは残念

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疋田智「ものぐさ自転車の悦楽~折りたたみ自転車で始める新しき日々」

疋田智「ものぐさ自転車の悦楽~折りたたみ自転車で始める新しき日々」
 自転車ツーキニスト ヒキタさんのものぐさ編である。ものぐさ編とは、自転車通勤はいいんだけど、帰りに雨降ったり、飲んだりすることもあるしいい、という人向けに、なら、フォールディングバイク(折りたたみ自転車)ならどうよ、という本である。
 対象が折りたたみ自転車に変わっただけで、それ以外の主張は氏の同種の本と同じである。通勤に限らずちょっと遠くまで行きたいんだけど、帰りまで持つか不安だよねえ、ということは良くある。うち(多摩市)からだと多摩サイは至近だけど、荒川までとか江ノ島までとかは帰りを含めるとちと面倒で、まだ行ったこともない。でもかといって帰りを懸念してわざわざ走行性能が劣るフォールディングバイクで行くか、という感じもあり、やっぱり便利かつ正統なごく近所のポタリングと買い物にいいかもと思う今日このごろ。
 氏の推奨の正統3ブランドではやはりdahonがいいな、とこの連休に見に行きたくなっている・・・。

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エンゾ早川「ロードバイクバイブル 改訂版」

エンゾ早川「ロードバイクバイブル 改訂版」 エンゾ早川の「ロードバイクバイブル」の「改訂版」である。「改訂前」のものを読んだことがあり、賛否両論(否のほうが圧倒的に多いようだが)のなかでも、まあ、まともなことを言っていると感じたが、今回、この「改訂版」を読むとやっぱり「改悪版」かもしれないという感じ。「改訂前」には潜めていたアクの強さが前面に出てきている。

 彼の持論の欠陥は、その理論?の理由なり論証がないことに尽きる。典型的なのがライディングスタイルの「ラクダのこぶ」だが、あのような湾曲した背中を作らないプロは多数いるのはロードレースのTVを見ているとわかる。少なくもと新城幸也は違うよな。まあ、あれは今中大介も言っているので2つのうちのひとつという感じではある。
 野生動物は目覚めたとき朝食はないのだから、朝食を食べるな、と、言われても・・・。

 最後に出ていた75歳のおじいさんが箱根を登る話は作り話ではないと信じたい。

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鶴見辰吾「気がつけば100km走ってた」

鶴見辰吾「気がつけば100km走ってた」 二代目自転車名人、鶴見辰吾による自転車楽しさ紹介本。いまさら入門書、という感じもしたが、鶴見さんはアマチュアながらしかも自転車に乗り始めてから短いにもかかわらず、かなりのハイレベルまで行っている人なので、どうしたら「気がつけば100km走ってた」になれるかとの興味を持って読んでみた。同じ意味では片山右京もそうだが、彼はもともとF1レーサーであり、現在はヒマラヤ登山家なのでベースが違う。

 自転車との再会(当然、子供の頃には自転車に乗っているので)から仲間を得て、国内外に出かけ、さらにはレースに出るまでを、嬉しくてたまらないという感じで書いている。それにつられて通勤の1往復で読み終えた。
 残念ながら、どうやったら「気がつけば100km走ってた」になれるのかその秘訣を明確には書いていなかったが、読んでみた印象では、とにかく乗る、ということ。「週1回でも十分」と書いてあるので最近はそれも守れないのがちょっと・・・

 本書は入門書ではあるが、ぼくのようにまだまだ100キロ走ったこともないような初心者には夢が見られる本である。

P.S 友人の友人が鶴見さん主催の自転車サークルLEGONと一緒に走ったことがあるらしいが、平地でも凄い速度でついていくのは相当大変だったらしい。

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近藤史恵「エデン」

近藤史恵「エデン」
 「サクリファイス」での事件をきっかけにヨーロッパで走ることになったチカ。日本人ただひとりのチカがツール・ド・フランスを走る。
 カバー表紙はコフィディスの二人、裏面はアンディ・シュレック、コンタドールとたぶんアームストロング。加えて登場人物や選手の名前が実在のチームや選手を彷彿とさせる。
 華やかなツールを走る側から描いた、すっきりとした作品。
 もちろん小説なので小説らしいわざとらしい展開はあるが、それもツールを舞台だから許される感じがする。これがジロやブエルタだといまいちかもしれないし、もう一人の主人公、フランスのロードレース界の新星・ニコラは出てこれない。

 この作品は主人公がクライマーだし、舞台が総合優勝をめぐる戦いなので、平坦ステージのスプリンターはほとんど描かれていない。カヴェンディッシュも形無しである。やっぱり自転車の世界はクライマーがカッコイイんだろうな。

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