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阿川佐和子「男は語る アガワと12人の男たち」


 我々の世代だと、「聞く力」の著者というよりはどうしても鉄道オタクの作家にて元海軍の阿川弘之の娘というイメージが強い。
 本書そのものは阿川佐和子初期の対談集で80年代終わりのもの。対談した12人のうち半分は鬼籍に入っている。文庫版のあとがきにもあるように、そうかこの時代はこんな時代だったなあという回顧趣味的な要素も強い。

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美濃部美津子「三人噺 志ん生・馬生・志ん朝」


 志ん朝の1周忌に合わせて出版されたもので、「おしまいの噺」で集大成される志ん生一家の話のタネ本。ほぼすべての内容が「おしまいの噺」に掲載されているが、志ん朝の一周忌ということもあり、最後に志ん朝にまつわる話が着いている。著者にすれば13歳も離れていて息子のように育てた弟の死は、志ん生や馬生とはまた違う思いがあり、くやしさがあったようだ。自分の10年を志ん朝にあげたかった、10年あれば志ん生を超えただろうという著者の思いは、倒れる前の志ん朝を知る人なら同感だろう。

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美濃部美津子「志ん生の食卓」

 志ん生についての予備知識がなく、これだけを読むと単なる昔の江戸の(ではなくて昭和の東京か)下町の
食べ物の話になってしまう。取り上げている件数も当然ながら少ないので面白くない。
 志ん生一家の物語を知ったうえで読むと、ああ、これがなめくじ長屋で毎朝、納豆やから買った味噌豆のことかとか情景が浮かぶ。

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美濃部美津子「おしまいの噺」

 志ん生の長女である著者が2005年に書いた美濃部一家の伝記である。
 母と志ん生を見送り、弟である馬生に続いて、妹も13歳も離れた弟の志ん朝も見送った人生なので最後の方は楽しく読めるわけではないが、読みでがある。
 しかし志ん生が自分の父親だったらとても我慢できないだろうなあ、家族は。
 大酒飲みの印象が強いが著者によればそんなことはなくてふつうコップ2杯でピタッとやめるらしい。

 著者の母の葬儀の二日後に芸風が正反対で志ん生の好敵手だった、文楽が亡くなる。妻を亡くしたあとも平穏で涙ひとつ見せなかった志ん生が「みんな先に逝きやがる」と大泣きする場面が印象に残る。

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野村盛秋「志ん生伝説」

 志ん生についての記事をまとめたもの。志ん生以外について語った「志ん生以降」がとびぬけてつまらない。
志ん生のまわりにいた人たちの話(馬生も志ん朝も)はやはり面白い。

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入江敦彦「イケズの構造

井上章一「京都ぎらい」に続き、京都もの。
 京都は好かれるが、京都人は嫌われる。それは京都人がイケズだからであり、そのイケズを解明したのが本書。
やや中だるみがあったが、海外のイケズとしてシェイクスピアほか、平安のイケズはなんと言っても紫式部。このあたりを京都弁でやっているあたりはなかなか面白い。
 幸いにして京都で仕事をしたことも、京都育ちの友人が少ないせいか私はまだイケズをかまされたことはない。

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