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佐藤優「国家と神とマルクス」

佐藤優「国家と神とマルクス」
 かつて「外務省のラスプーン」と非難したマスコミは今や「第一級の知性」ともてはやしている。何やら少し前まで「現代のベートンベン」と持ち上げていた作曲家に対する態度の真逆で笑える。
 本書は著者のいくつかのエッセイやインタビューをまとめたもの。
 中身は多岐にわたり、神学、哲学的な部分はよくわからない。けっこう難しい話も多いが、興味深い話も多い。
 こんなのがあった。氏は獄中で数十冊の本に絞って精読しているが、その1冊にマルコポーロ「東方見聞録」がある。その中で、日本人は人食い人種、かの国では誘拐ビジネスが流行しており身代金を払わないと食べられると書かれているらしい。マルコポーロは黄金の国に行ってビジネスを展開したかったが、この話に怖気づいて日本には来なかった。「東方見聞録」は欧米でも有名な本なので、たいていの人はこの本の日本についての記述を知っている。それは「黄金の国」としてだけではなく、「人食い人種」としての刷り込みもある。
 日本では「黄金の国」の件は誰でも知っているが、「人食い人種」の話はほとんどの人が知らない。日本人には自分に都合の悪い評価を無視したり、隠してしまう傾向があることが危険だと指摘している。
 昨年末の安倍総理の靖国参拝に対する諸外国、特にアメリカの姿勢に対する反論を思い出した。

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