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象が平原に還った日―キーワードで読む村上春樹

象が平原に還った日―キーワードで読む村上春樹
象が平原に還った日―キーワードで読む村上春樹
 1991年刊行で対象は「ダンス・ダンス・ダンス」までだが、最近読んだ村上春樹ものでは一番面白かった。
 「ハートフィールド」の由来、「象」とは何か、「鼠」の生年月日、名前の由来から始まり、なぜ「羊」なのか。「ノルウェイの森」の赤と緑のカバー、「一角獣」「世界の終り」と「ゲド戦記」の関係・・・。かなり説得力のある話題を提供してくれる。
 「鼠」を単なる記号に過ぎないと切り捨てた柄谷行人を切り捨て、川本三郎や加藤典洋の読み方を切り捨てる。柄谷はもともとアンチ村上なのできちんと読んでいないのがわかる論文を目にしたこともあるので納得できる。川本と加藤はアンチではないけど、それは違うだろうという浅い解釈が多いのも事実。
 「羊」と「一角獣」とキリスト教との関係についての考察は、村上がその後「アンダーグラウンド」や「1Q84」を書くことを考えればなかなか鋭い考察といえる。

 ただし、著者の、くわ正人、久居つばきとも今まで聞いたことがなかった。久居つばきは「ねじまき鳥」「アンダーグラウンド」についてのエッセイがあるようだ。

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