« 大山真人「取締役宝くじ部長―異端のバンカー・片岡一久の生涯」 | Main | フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 »

小惑星探査機「はやぶさ」の超技術

小惑星探査機「はやぶさ」の超技術
 これは面白かった。
 400ページ近い新書で、冒頭の170ページにわたりプロジェクトマネージャの川口先生が、1993年のプロジェクト立ち上げ前の「サンプルリターン」立ち上げ理由から、発射、到着、帰還までをかなり細かく解説する。この中では、地球スイングバイなどの技術的なものも含む。地球スイングバイは地球の重力を使うと聞いていたので地球方向に引っ張るのかと、今まで思い込んでいたので理解できなかったのだが、公転方向に加速するんですね。なるほど・・・、やっとすっきりした。

 川口先生の解説だけでも読み応えがあるが、以降にそれぞれの技術者が細かく解説していく。
 イオンエンジンとその冗長性、太陽光パネルはなぜH型なのか、姿勢制御、光学複合航法、地形航法、科学観測機器、着地用センサー、サンプラー、救出運用、再突入カプセル、地球のラストショット、探査機ミネルバ
 どれも面白い。
 再突入の時にカプセルが燃えたけど(隕石でもスペースシャトルでも)あれは摩擦熱だと思い込んでいたのだが違うのです。超高速で物体が突入するのでその前面にある空気がよけきれずに断熱圧縮された結果、空気が高音になるのです。ボイルシャルルの法則かな。

 枯れた技術と新規開発技術をどう組み合わせるか、冗長性とバックアップの考え方、予算と重量制限の中でどう実現するのか。

 ちなみに執筆陣の学歴は、NECの二人が私学、JAXAは海外留学のお一方以外は京大3名、東大7名・・・。

P.S 探査機のミネルバの名前を聞くとつい「ミネバ様」とつぶやいてしまう・・・

|

« 大山真人「取締役宝くじ部長―異端のバンカー・片岡一久の生涯」 | Main | フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2457/58484431

Listed below are links to weblogs that reference 小惑星探査機「はやぶさ」の超技術:

« 大山真人「取締役宝くじ部長―異端のバンカー・片岡一久の生涯」 | Main | フィリップ・K・ディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 »