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村山斉「宇宙は何でできているのか」

村山斉「宇宙は何でできているのか」

大栗博司「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解くが面白かったので「大栗先生の超弦理論入門」を図書館で予約待ち中。その間に、村山斉「宇宙は何でできているのか」を読んでみた。この本は「強い力と弱い力」で大栗先生が説明につまずくと「村山先生の本ではこういう説明をしている」とあてにしている初心者向けの説明では定評がある本。
 で、そのとおり、非常にわかりやすい。
 「強い力と弱い力」を読んだ2日後くらいにNHKのTVで2夜連続でこのあたりの特集番組をやっていたが、登場人物は(ノーベル賞受賞者ばかり・・・)ともかく、内容は書物には比べるべくもなかった。科学ものはTVなどで視覚化、動画化によりわかりやすくなることが多いが、超弦理論はもともと10次元を扱う。現実世界である4次元ですら空間の3次元に時間という次元を追加しただけで視覚化するのが格段に難しくなるのだからいくらTVでCGを駆使しても限界がある。ただし、縦にしたたくさんの鉛筆を手で支えて、手を離すとばらばらの方向に倒れることで対称性の破れを表現したのはわかりやすかった。

 さて、この本は2010年に書かれている。当然ヒッグス粒子発見前であるが、発見は時間の問題といわれたヒッグス粒子にも触れているが、超ミクロの世界である量子の世界の研究がなぜ宇宙の研究につながるのかからはじめ、皆既日食時のアインシュタインの予言(重力で光が曲がるってやつね)から4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)の説明に無理なくつなげていく。大栗博司「強い力と弱い力」では南部博士が大活躍していたが、この本では南部博士に加えて、小林・益川理論が活躍する。
 エンタープライズ号(スタートレックのです)の推進力がなぜ反物質とされたのか、その理由がこの本でわかりました。反物質は通常の物質と電荷が反対のものです。物質と出会うと消滅するので、E=mc^2により質量がすべてエネルギーに変換される効率100%のためなんだって。でも実際には物質にふれると消滅してしまうので物質でできた容器では持ち運びできないので、その場で作るしかない。現在の技術を前提とした試算(した人がいるらしい)によると反物質0.25グラムを作るための加速器などの電気代は1兆円の1億倍かかるって(どこの電力会社の電気代を基準にしたかまでは書いてなかったが)。
 とかいうような横道にも逸れながらも、難しいところは正直に「難しいので説明はしません」と飛ばしながら進んでいくので、軽快に読み終わってしまった。
 宇宙のエネルギーのうち23%を占める「暗黒物質」が誕生したのはビッグバンの100億分の1秒後だということまではわかっているようです。(73%を占めるのが「暗黒エネルギー」。ふつうの物質である原子は4.4%だそうです)

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