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星新一「おのぞみの結末」

星新一「おのぞみの結末」
 星新一は妹が昔からよく読んいたので名前と「ボッコちゃん」の名前くらいは知っていたが、読んだことはなかった。NHKで「ショート・ショート」のアニメを数年前にやった頃、読んでみようかなと思ったが、「ショート・ショート1001」の実物を図書館で見て大きさにめげた。

 今回は、またもKindleセールで見かけた本。文庫もあるようだが、和田誠のイラストが見たくてこの本を借りてみた。ちょっと長めのショートショート、という副題のとおり、通常のショートショートよりは長いものが8作。固有名詞や特定の国や地名を想像させるようなものはなく、いきなりストーリー。少しシニカルでもあり、メルヘン的なものもある。このかなり短い寓話をネタに2時間の映画なら作れそうなかんじ。なるほど、こんな感じか、というのはわかった。

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柘植光彦「村上春樹の秘密 ゼロからわかる作品と人生」

柘植光彦「村上春樹の秘密 ゼロからわかる作品と人生」
 初心者向け解説本というレビューがあったので、期待しないで読んだらなかなか面白かった。
 柘植光彦(つげ てるひこ)は「村上春樹スタディーズ」全5巻の評論本のとりまとめ者であり、このうちいくつかを読んでいたので、この人の名前と作者と作品に関する好意的イメージは知っていた。またその文章のわかりやすさも。「村上春樹スタディーズ」は対象の作品発表当時の評論が多いため、賛否両論、難解な評論や批判することがアイデンティティというような評論も多い中、最後に柘植がきちんとまとめに入る。もちろんかなり好意的ではあるが、文章にべたべたした印象やへつらいはなく、読んでいて気持ち良い。
 で、この本もそんな印象で書かれるが、ちょっと変わっているというか、なぜ今までこういう形式がなかったのだろうという気もするのだが、作品研究よりは作家・村上春樹に焦点をあて、幼少の頃、学生時代、新婚時代、神宮球場のヤクルト開幕戦で先頭打者のヒルトンがヒットを打った瞬間などのクロニクルから入っていく。
 「ゼロからわかる作品と人生」というサブタイトルがついているが、順番でいえば「人生と作品」だろう。もちろん作家評論なので作品解説はあるが、クロニクルに何を書いているかその先の構成が見えてくるようでもある。
 村上春樹の生い立ちや環境への記述が多いのは、2009年のエルサレム賞の「卵と壁」のスピーチで父について語ったことに啓発されたのではという気がした。
薄めの新書ではあるが、長編や中編のみならず、話題の範囲であれば短編にも手をだし、巻末には作品ごとの登場ページが目次になっており、見返すのに便利だ。2010年4月刊行で「1Q84」までカバーしている。
 柘植さんは2011年に逝去しているので、もう彼の評論は読めない。

 自分の本になってしまうと安心して、一冊の本をなかなか読み終えないわたしが一日で読み終えてしまった。こういう本がマーケットプレイスで1円(+送料250円)で入手できるのは嬉しい・・・。

 AMAZONのKindle買って以来、毎日Kindleのセールのページを見ては、Kindleでは購入しないで、中古や図書館ばかり・・・貧乏くさい。おかげで次は何を読もうかなということはなく、つねに2,3冊抱え、読む冊数だけは増えた。質は別として・・・。

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村山斉「宇宙は何でできているのか」

村山斉「宇宙は何でできているのか」

大栗博司「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解くが面白かったので「大栗先生の超弦理論入門」を図書館で予約待ち中。その間に、村山斉「宇宙は何でできているのか」を読んでみた。この本は「強い力と弱い力」で大栗先生が説明につまずくと「村山先生の本ではこういう説明をしている」とあてにしている初心者向けの説明では定評がある本。
 で、そのとおり、非常にわかりやすい。
 「強い力と弱い力」を読んだ2日後くらいにNHKのTVで2夜連続でこのあたりの特集番組をやっていたが、登場人物は(ノーベル賞受賞者ばかり・・・)ともかく、内容は書物には比べるべくもなかった。科学ものはTVなどで視覚化、動画化によりわかりやすくなることが多いが、超弦理論はもともと10次元を扱う。現実世界である4次元ですら空間の3次元に時間という次元を追加しただけで視覚化するのが格段に難しくなるのだからいくらTVでCGを駆使しても限界がある。ただし、縦にしたたくさんの鉛筆を手で支えて、手を離すとばらばらの方向に倒れることで対称性の破れを表現したのはわかりやすかった。

 さて、この本は2010年に書かれている。当然ヒッグス粒子発見前であるが、発見は時間の問題といわれたヒッグス粒子にも触れているが、超ミクロの世界である量子の世界の研究がなぜ宇宙の研究につながるのかからはじめ、皆既日食時のアインシュタインの予言(重力で光が曲がるってやつね)から4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)の説明に無理なくつなげていく。大栗博司「強い力と弱い力」では南部博士が大活躍していたが、この本では南部博士に加えて、小林・益川理論が活躍する。
 エンタープライズ号(スタートレックのです)の推進力がなぜ反物質とされたのか、その理由がこの本でわかりました。反物質は通常の物質と電荷が反対のものです。物質と出会うと消滅するので、E=mc^2により質量がすべてエネルギーに変換される効率100%のためなんだって。でも実際には物質にふれると消滅してしまうので物質でできた容器では持ち運びできないので、その場で作るしかない。現在の技術を前提とした試算(した人がいるらしい)によると反物質0.25グラムを作るための加速器などの電気代は1兆円の1億倍かかるって(どこの電力会社の電気代を基準にしたかまでは書いてなかったが)。
 とかいうような横道にも逸れながらも、難しいところは正直に「難しいので説明はしません」と飛ばしながら進んでいくので、軽快に読み終わってしまった。
 宇宙のエネルギーのうち23%を占める「暗黒物質」が誕生したのはビッグバンの100億分の1秒後だということまではわかっているようです。(73%を占めるのが「暗黒エネルギー」。ふつうの物質である原子は4.4%だそうです)

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小山内裏公園の彼岸花 2013/9/22

小山内裏公園の彼岸花

 今日は午前中は家族で府中市郷土の森でたくさん彼岸花を見て、午後は35日ぶりの自転車で小山内裏公園で少しだけ彼岸花を見るという彼岸花の一日でした。

郷土の森の彼岸花

府中市郷土の森の彼岸花 2013/9/22

小山内裏公園の彼岸花 2013/9/22

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大栗博司「強い力と弱い力」

大栗博司「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く」
 前作「重力とは何か」が面白かったので、続編である本書を読んでみた。
この本も前作と同様、E=MC^2以外に数式は出てこない。
 前作以上に面白い。

 理解できない、イメージできない箇所もあったが、ついにヒッグス粒子発見では思わず興奮してしまい、最後は爽快な読後感・・・。こんな物理の本は初めて。

 その爽快感は現在の量子力学、標準模型を作ってきた40人以上のノーベル賞受賞者の取組からくる。
「重力とは何か」がアインシュタインという一人の天才がほぼ独力で構築した相対論という美しい体系の解説であるのに対して、本書は量子力学が多数の天才がいかに努力を重ねて築きあげてきたか、そしてヒックス粒子の発見に至ったかを解説する。

 「強い力」「弱い力」とはかなりあいまいな印象の用語だが、これはstrong force、weak forceという専門用語で電磁気力より強い、弱いと区別される全くの性質の違う力であり、ジェダイの能力を判別するものではない(と、言ってみたかった・・・)。
 前作でも登場した南部陽一郎博士は本書ではかなりの長期に渡って登場する。南部博士がノーベル賞を受賞したとき、博士の高齢を勘案した温情受賞のような話があったが、そんなことは大きな間違いであり「対称性の自発的破れ」という発想がその後の量子力学をいかに支えていったかが分かる。
 ちなみに博士の発想の最初は超伝導磁石のマイスナー効果だという。超伝導磁石といえば、つい最近リニアモーターカーの途中駅が発表されたばかりだが、リニアモーターカーが浮上する力は磁石のN極どうし、S極どうしが反発する力だと、恥ずかしながら思い込んでた・・・。違うのか、ということを本書を読んで初めて知る。鉄道好きとしては情けない。リニアモーターカーが開発に苦しんだのは「クエンチ」対策だったが、ヨーロッパにある全周27キロの加速器、LHCも(光速の99.999999%まで加速された陽子を、周回させるために大規模な磁力を使う)稼働9日めにクエンチが発生し大事故となり修復に1年以上かかったという。(クエンチとは突然、超伝導状態でなくなる事象。リニアなら地面に墜落する。数センチだけど)
 1秒間に10億回の陽子の衝突を起こしてすべてをデータ処理って、ITの世界知らなくてもスゲエと思う・・。
 ちなみに、LHCを作った研究団体CERNが情報共有のために作ったのがインターネットのWebシステムだって。
 
 ヒッグス粒子の発見が何の役に立つのかは筆者を含め学者も今はわからない。が、19世紀初頭に電磁誘導を発見したファラデーは、財務大臣に「電気は何の役にたつのか」と聞かれ、「わからないが、将来あなたはこれに税金をかけられるでしょう」と言ったという。マルコーニの大西洋無線通信成功の半世紀前の話である。

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大栗博司「重力とは何か」

大栗博司「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る」
 AMAZONのKindleのコーナーで見かけたので読んでみた。
 数式は一切出てこない。AMAZONのレビューにあるとおり、とても平易にニュートン力学から相対論そして量子力学、超弦理論までを概説している。ホーキングが車椅子に座ってTVで宇宙の解説をしているだけの人でないことがやっとわかった。
 相対論は今までも何回か読んだので、ここまでは無理なく読めた。しかし、やはり量子力学はイメージしにくい。南部陽一郎の対称性の破れというヤツがどういう位置づけなのかはイメージできたが、肝心の超弦理論(超ひも理論)はよくわからなかった。

 というわけで、この続編「強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く」を読み始めた。

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近藤史恵「キアズマ」

近藤史恵「キアズマ」

 とても読みやすい、自転車青春もの。とはいえ、ひょんなことから大学の弱小自転車部に入ることになった、正樹も、ヤンキーなエース櫻井も、実は心の傷を持っている。
 いくら長身で柔道経験者とはいえ、正樹はいきなり速すぎでけっこう腹立たしい・・・。

 背表紙の自転車がストーリーに登場するFUJIではなくてなぜか、TREK Madone7。おかしいと言えばおかしいが、ぼくは、TREK乗りなので許す。近藤さんてTREK乗りなのかな。

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映画「マン・オブ・スティール」

 マン・オブ・スティール、新スーパーマンを見てきた。
 8月30日(金)公開なので公開3日め。ネットで予約したらやけに安いので間違ったかと思ったら、1日はワーナーマイカルじゃないもうイオンシネマか、1000円だったのだ(3Dなので+300円)。
 予約締切の1時間前(上映2時間前)に予約したのに、座席指定を見ると予約済はわずかに2席・・・。

 上映開始5分前にシアターに入る。上部の見やすい席にかたまっている観客はぱっと見て数えられる。11人でした。暗くなってから入場する人もいたので15,6人か。

 以下、少しネタバレ。

 冒頭はクリプトン崩壊のシーンから。スーパーマンは生まれてすぐに故郷の星の破滅に遭遇し、両親が地球に向けて息子だけを旅立たせる。これは原作コミックの頃からの設定。
 で、今回はクリプトン崩壊寸前にクーデーターに失敗し幽閉されていた悪役がクリプトン再生のカギを握るスーパーマンを捕獲しに地球に来る話。

 先月「スタートレック」を見たときに「エンタープライズ号」のカッコ良さについて記したが、残念ながらスーパーマンにはそれがない。悪役も同じ文明のヒトなので同じ装備、兵器になるのは仕方ないが、クリプトンの装備や兵器デザインはぼくの琴線にはふれないどころか、「クリンゴンかよ」という感じ。スーパーマンの父を助けに来る羽の生えた獣のようなロボット?はキングギドラのように見えたし、自宅や宇宙船?でサポートする宙を浮くロボットは生まれたてのエイリアンのようで、地球よりはるかに進んだ科学文明社会にはデザイナーはいねえのか、と思った。
 ストーリーは冒頭のクリプトン崩壊のシーンは良かった。が、そのあとは時間が前後して(回想シーンに戻っているのか)ややわかりずらいのと、2台の宇宙船をやっつけるところまではまあ許すとして、まだ時間があるよなあ、このどういう波乱があるの?と思ったあとにラストまで続くシーンは単調。これで158分はひっぱりすぎ。

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