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村上春樹スタディーズ2005‐2007

村上春樹スタディーズ2005‐2007

村上春樹スタディーズ2000‐2004

 2005年から2007年までに刊行された村上春樹の作品の論評集である。2000年から2004年までに刊行された作品を対象とした前作はかなり前に読んだので個々の評論の記憶はあまりないが、それなりに面白かった。
 本作は「ねじまき鳥クロニクル」「レキシントンの幽霊」「海辺のカフカ」「アフターダーク」「国境の南、太陽の西」が主に論じられる(「ノルウェイの森」もなぜかある)。
 いずれの論評もそれなりに面白いが、同じ作品に対して別の論評があるとその差が出てしまうのはやむを得ないか。「海辺のカフカ」についての2評論に顕著に表れた。少年カフカが甲村図書館で読むバートン版「千夜一夜物語」の意味、大島さんとカフカ作「流刑地にて」に触れる意味などの深読みをする小森陽一の論が面白い。
 一方、「「9.11」以降と「海辺のカフカ」」の副題がつく川村湊の論は執筆時期と想定される9.11以降、村上がアメリカを回避しているというだけの論で、盛り上げてきたと思ったら終わってしまった。
 マスコミ嫌い、インタビュー嫌いで国内では知られる村上であるが、海外では実はよくインタビューに答えており、海外の雑誌からそれらを集めた都甲幸治の論評がなかなか面白い。

「村上春樹スタディーズ」はこの2冊だけだと思ったら、アマゾンで検索すると新書版でシリーズのものもあるようだ。機会があれば読んでみたい。

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