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杉山隆男「昭和の特別な一日」

杉山隆男「昭和の特別な一日」

村上春樹「小澤征爾さんと、音楽について話をする」と同じく、この本も新潮社の広告誌「波」の書評を見て読んだみたもの。
 話は4話、それぞれの特別の日は、「上空一万五千フィートの東京五輪(昭和39年10月10日)」「さらば、銀座の都電(昭和42年12月9日)」「日本橋には空がない(昭和38年4月12日)」「ブロードウェイがやってきた(昭和41年10月29日)」である。
 すべてに共通するモチーフは東京オリンピックである。
 第1話はご存知オリンピック開会式に合わせた自衛隊による空の五輪マークである。自衛隊機によるオリンピックの飛行は長野五輪の時にもあったが、あれはスモークを出して通過するだけで技術的には簡単。東京五輪の時のは5機で円を描きかつバランスよく重ねるという難題で、練習では一度も成功しなかったもの。
 そういう芸当を無事成功させるのであるが、この著者の観点がユニークなのが、4話ともその時点のその瞬間に合わせるのではなく、特に3話めの日本橋などは江戸時代からの時代背景や時代の流れを書き、しかも語るのが第3者でも登場人物でもない、不思議なエッセイのような方式をとっていることだ。多少読みにくいときがあるのはそのせいかもしれない。
 最初の3つは題名を見ただけでテーマがわかるが、最後の「ブロードウェイ」は「まさか中野ブロードウェイの話? それともミュージカルか何かかな」と思ったくらいで、あの中野のやつが昭和の中でそういう位置づけにあったのか、と新たな発見があった。
 全体としてはなかなか興味深く、特にもっとも長い日本橋の話は、昭和や東京のうんちくを語りたい人には必読かも。

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