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原武史「「民都」大阪対「帝都」東京  思想としての関西私鉄」

原武史「「民都」大阪対「帝都」東京  思想としての関西私鉄」

 東京ではJRと私鉄の駅が同じ場所、同じ名前であるのが普通で、JRとかなり離れているのは西武新宿駅くらい。これが大阪に行くとJRとくっついているのはJRと地下鉄御堂筋線の新大阪くらいで、大阪駅はJRにしかなく、すぐ近くの阪急も阪神も御堂筋線も梅田と駅名すら違う。
 また近鉄に代表すべく関西私鉄の多くがJRの狭軌(1067ミリ)ではなく標準軌(1435ミリ)を採用していることもあり、相互乗り入れもない。
 ということで、今でも関西は関東と違い十分に私鉄王国なのだが、本書ではこのような王国成立の経緯と、やがて「帝都」東京を形作った政府の圧力と天皇制によって、「民都」大阪が「帝都」の一部になっていく様子を描いている。当時の国鉄よりもずっと進んだ考えを取り入れ実現していった阪急を始めとした関西の私鉄が徐々に負け戦を経験することとなり、読んでいてがっくりくるものがあるが、それでも今に残る私鉄王国の基盤を作った当時の関西人の心意気を感じることができる。
 私鉄と天皇制を結びつけての論述は鉄道オタクである著者の真骨頂だ。

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