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原武史「「民都」大阪対「帝都」東京  思想としての関西私鉄」

原武史「「民都」大阪対「帝都」東京  思想としての関西私鉄」

 東京ではJRと私鉄の駅が同じ場所、同じ名前であるのが普通で、JRとかなり離れているのは西武新宿駅くらい。これが大阪に行くとJRとくっついているのはJRと地下鉄御堂筋線の新大阪くらいで、大阪駅はJRにしかなく、すぐ近くの阪急も阪神も御堂筋線も梅田と駅名すら違う。
 また近鉄に代表すべく関西私鉄の多くがJRの狭軌(1067ミリ)ではなく標準軌(1435ミリ)を採用していることもあり、相互乗り入れもない。
 ということで、今でも関西は関東と違い十分に私鉄王国なのだが、本書ではこのような王国成立の経緯と、やがて「帝都」東京を形作った政府の圧力と天皇制によって、「民都」大阪が「帝都」の一部になっていく様子を描いている。当時の国鉄よりもずっと進んだ考えを取り入れ実現していった阪急を始めとした関西の私鉄が徐々に負け戦を経験することとなり、読んでいてがっくりくるものがあるが、それでも今に残る私鉄王国の基盤を作った当時の関西人の心意気を感じることができる。
 私鉄と天皇制を結びつけての論述は鉄道オタクである著者の真骨頂だ。

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荒川静香「フィギュアスケートを100倍楽しく見る方法」

荒川静香「フィギュアスケートを100倍楽しく見る方法」
 トリノで日本人唯一?の金メダルを取った荒川静香が、バンクーバー直前に書いた本。
 浅田真央 VS キム・ヨナ 直前情報というわけではないが、時期的にはそんなところ。

 フィギュアを特に見るわけでもないし、実際、上記の二人の対戦もニュースでちらっと見たくらいだが、フィギュアは時々TVでやっていてそのまま見ることがある。そのときいつもわからないのが、ジャンプの違い。トリプル・アクセルが一番難しいらしいというのは、伊藤みどりの頃から知っていたが、ルッツとかトーループとかサルコワとか、解説者は飛んだ瞬間に言っているが、見ているほうは全然違いがわからないし、どれがいいのかもよくわからない。ルールもいろいろ変わるらしい。
 というので、読んでみた。

 ジャンプの違いの説明とルール、選手とコーチ紹介にFAQという構成だが、簡明でわかりやすい。
もっとも、もうジャンプの種類は忘れている。もっともアクセルだけは前に向かって飛ぶということだけはわかった。着地するときにバックになるので3回転半なのだ。

 それとFAQにあった「オリンピックのジンクス」で「青い衣装が金メダル」のジンクス。荒川静香も直前にコーチにどうしてもと頼まれ青にしたという。そして2010年のキム・ヨナも青だった。

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片倉のかたくりはまだ 2011/3/20

 片倉城址公園にもかたくりがあるというので、咲いているのかどうか、規模はどうなのかを
確かめに行ってきました。
 ガソリン給油待ちの車を尻目に(と言ってもぼくも車あるので、同じ問題抱えてます)ぐんぐん
進み、たどり着いた公園でしたが、残念ながらつぼみも見られず。
 しかし満開になればそれなりに見事な群落になりそうでした。

 かたくりはダメでしたが、小山内裏公園で早咲きの山桜に遭遇

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原武史 保阪正康「対論 昭和天皇」

原武史 保阪正康「対論 昭和天皇」
 近代天皇論が専門の原武史と昭和史を中心のジャーナリストである保阪正康の対談。
 原武史が「昭和天皇」のはしがきで述べたように語りつくせなかった部分があるとともに保阪さんとも微妙に意見が分かれる部分もある。もちろんそれが対談の醍醐味でもある。
 これを読む限り、昭和天皇の戦争責任については相当部分あるとしているのに対して保阪はそれほどではないという印象。
 原は「昭和天皇」でも述べているが、昭和天皇が終戦に踏み切る理由として、これ以上の戦闘は三種の神器よ国民の生命を失うと、国民よりも三種の神器を上位に持ってきていることを天皇の心情を吐露する言葉として重視している。
 明治時代に決着して明治天皇も認めた南朝正統説のもと、現在の天皇の正統性は南朝から三種の神器を受けたことによる。そのため三種の神器にさまざまな報告をする祭祀に昭和天皇は熱心で、今上天皇は昭和天皇よりもさらに熱心だといわれる。昭和天皇、今上天皇の猫背が祭祀のためとも原は述べているほど・・・。

 いずれにせよ少し意見の違う人の対談はテーマにかかわらず面白い。

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高幡不動にお参り 2011/3/13

 大地震に続き原発事故と油断がならない。スーパーではカップ麺と水と懐中電灯用の単一乾電池が売り切れ。ガソリンスタンドは在庫切れで閉店・・・。

 ということで、もやもやしている心身をリフレッシュも兼ねて高幡不動尊へお参りしてきました・・・。

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小野路の梅 2011/3/6

 久しぶりに暖かかったので、坂をゆっくり登るを信条に(いつもだが)、近所の町田市小野路の里山的梅林を
眺めてきた。
 多摩ニュータウンは田舎だといわれるが、実は自転車で10分でたどり着く町田市のはずれはもっと田舎。だからいいんだが。
 尾根緑道の菜の花も咲き始めていた。

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宮脇俊三「時刻表2万キロ」

宮脇俊三「時刻表2万キロ」
 乗り鉄の元祖、宮脇さんの「時刻表2万キロ」を初めて読んだ。写真の文庫版ではなくて1978年刊行のハードカバーで・・・。
 PCの前に座って地図ソフトを見ながら、あ、この線は廃線だわ、とか言いながら・・・。

 いやはや、やっぱり国鉄(当時)の全線2万キロを全部乗るのはとても大変なことだ。本書は乗車キロ数は9割を越えた昭和50年あたりからの記録であるが、著者の感覚は3合目、キロ数とは関係なく残りはまだ7割という感じ。まあ新幹線など長距離のものはかなり簡単に乗れるだろうが、当時はまだ全国に多数の赤字ローカル線が健在、今ならもっと楽に乗りつぶせたろう。
 高校時代の友人が学生時代に全線完乗していたことを最近知ったが、あのローカル線をひとつずつ乗りつぶすのはやはり大変だったろう。

 しかしせっかくの乗車記録も路線の多くが今は廃線になっていたり、良くても第三セクターとなっている。炭鉱関連の九州北部と赤字路線オンパレードの北海道の数が凄い。

 僕は北海道には昭和48年に最初に行ったが、その時は胆振線は健在でSLに乗った。当時はまだオホーツク海北部の沿岸にも興浜北線・南線なんかがあったし、広尾線の愛国から幸福行きが人気があったころかな。村上春樹「羊をめぐる冒険」のモデルとなったといわれる美幸線も今はない。近隣では気になりながら乗り損ねた相模線の西寒川までの支線があった(今や相模線の本線は電化しているけど)

 この頃、「新線」として開通したばかりなのにすでに廃止になっている線もある。
 その中で第三セクターで生き残った線や、当時はまだ開通していなかった会津・野岩鉄道や秋田内陸縦貫線などを思うとほほえましい気分になる。

 宮脇さんの文章は独特の味がある。基本的には何時にどこを出て、どこに何時に着いたという記録主体なのだが、車窓や車内の軽い観察の文章や感想が、誰でも書けそうであるが、なかなかコンパクトかつ要領を得ている。あまりオタク向けではないところが一番いい。

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青山七恵「やさしいため息」

青山七恵「やさしいため息」
 芥川賞の「ひとり日和」だけで判断するのは気が早いので、もう1冊読んでみた。
 ヒロインの境遇は異なるが、心情や性格は似ている。前作よりもよく描けている感じがあり、技術的にも少し進歩しているように思えるが、弟の友人になんで惹かれるのかとかよくわからない。恋愛感情は説明する必要はないかもしれないが、理由はともかくせめてもう少し内面や心を描いてほしい。

 ヒロインと同じような内気な性格の女性以外はなかなか共感できないかもしれない。
 もっとも、川上美映子の書く世界に共感できるかといえばそれはまた別の話ではある。

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