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宮脇俊三「時刻表2万キロ」

宮脇俊三「時刻表2万キロ」
 乗り鉄の元祖、宮脇さんの「時刻表2万キロ」を初めて読んだ。写真の文庫版ではなくて1978年刊行のハードカバーで・・・。
 PCの前に座って地図ソフトを見ながら、あ、この線は廃線だわ、とか言いながら・・・。

 いやはや、やっぱり国鉄(当時)の全線2万キロを全部乗るのはとても大変なことだ。本書は乗車キロ数は9割を越えた昭和50年あたりからの記録であるが、著者の感覚は3合目、キロ数とは関係なく残りはまだ7割という感じ。まあ新幹線など長距離のものはかなり簡単に乗れるだろうが、当時はまだ全国に多数の赤字ローカル線が健在、今ならもっと楽に乗りつぶせたろう。
 高校時代の友人が学生時代に全線完乗していたことを最近知ったが、あのローカル線をひとつずつ乗りつぶすのはやはり大変だったろう。

 しかしせっかくの乗車記録も路線の多くが今は廃線になっていたり、良くても第三セクターとなっている。炭鉱関連の九州北部と赤字路線オンパレードの北海道の数が凄い。

 僕は北海道には昭和48年に最初に行ったが、その時は胆振線は健在でSLに乗った。当時はまだオホーツク海北部の沿岸にも興浜北線・南線なんかがあったし、広尾線の愛国から幸福行きが人気があったころかな。村上春樹「羊をめぐる冒険」のモデルとなったといわれる美幸線も今はない。近隣では気になりながら乗り損ねた相模線の西寒川までの支線があった(今や相模線の本線は電化しているけど)

 この頃、「新線」として開通したばかりなのにすでに廃止になっている線もある。
 その中で第三セクターで生き残った線や、当時はまだ開通していなかった会津・野岩鉄道や秋田内陸縦貫線などを思うとほほえましい気分になる。

 宮脇さんの文章は独特の味がある。基本的には何時にどこを出て、どこに何時に着いたという記録主体なのだが、車窓や車内の軽い観察の文章や感想が、誰でも書けそうであるが、なかなかコンパクトかつ要領を得ている。あまりオタク向けではないところが一番いい。

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