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原武史「昭和天皇」

原武史「昭和天皇」
 鉄道マニアの原武史の本業の本である。

 けっこう唸ってしまう本である。無知を自覚するというか・・・。

 物心ついたときには東京オリンピックも終わっていた世代にとって昭和天皇はよくも悪くも「植物好きのいいおじいちゃん」にしか思えず、戦前の大元帥の頃の映画やテレビを見ても、実態は軍部なり政府が握っていて、象徴天皇とそれほど変わらなかったのでは、という印象があるし、「現人神」も民衆がどこまで信心していのかはもちろん、天皇本人もどこまで意識していのかかなり疑問であった。
 戦前の国家神道や新嘗祭などの各種の祭祀は知ってはいても、その本当の位置づけはわかってはいない。

 本書は、祭祀の観点から昭和天皇を論じたものである。母である貞明皇后との確執や、高松宮、秩父宮との関係、あるいは太平洋戦争でのサイパン陥落時の考え、2・26事件当時の考えなど、「そうだったのか」と池上彰のニュース解説を聞くような気分になる。
 昭和天皇というまだ歴史というには生々しい対象ゆえ、資料も少ないようだが、この本を読むと太平洋戦争における責任論とかそういう問題が少し見えてくる。
 印象に残ったことのひとつは靖国神社のA級戦犯合祀について。昭和天皇は合祀を理由にそれ以降は参拝しなかったが、高松宮は合祀後も参拝を続けた。

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