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原武史「鉄道ひとつばなし 2」

原武史「鉄道ひとつばなし 2」
「鉄道ひとつばなし」の続編である。
 今回、もっとも可笑しかったのは著者曰く鉄道趣味界「四天王」の文章くらべ。正確にはこの4人だったらきっとこんな文章になるだろうと想像して書いた東京-熱海間の東海道線紀行。四天王とは時刻表2万キロの宮脇俊三、最長片道切符の種村直樹、ダイヤグラムの川島令三、そしてエッセイイストの嵐山寛三郎。
 とはいえ、実は川島以外は文章を読んだことがない。でもこの比較を読むと、まともに読むならまずは宮脇かもしれないと思った。

 もうひとつ面白かったのは東急田園都市線と小田急ホームウェイ号の話。著者は沿線の青葉台に住んでいるが東急田園都市線の昔からの改善のなさに相当憤慨している。イメージだけで沿線ムードを作り上げてダイヤの改善がされず、これが「正確無比」といわれた日本の鉄道かと憤る。東急のイメージ広告に騙されてこの沿線に住んだ人は猛烈なラッシュに苦しむらしい。
 一方で、小田急ホームウェイ号。これは小田急多摩線に乗り入れているロマンスカー。本線のロマンスカーの混雑(2時間先まで予約は取れない)を尻目にすぐに予約がとれてゆっくり座れる。新宿からの場合、料金も並行する京王線よりも高く、しかも特急料金が必要。しかしラッシュとは無縁で帰ることができる。衰退するニュータウンのイメージだけで判断してはいけない、というもの。ホームウェイはぼくの地元も通るので非常によくわかる。

 ところで、著者は川島令三とJR西日本尼崎脱線事故について意見が対立したとだけ書いてあった。川島はボルスタレス台車欠陥説であり、原はあくまでもスピード超過とATS問題となったのだろう。一般的には後者といわれるが、ボルスタレス台車は使用していない鉄道会社も多く、直線中心の新幹線で実績があってもカーブで大丈夫なのかという懸念がないわけではない。
 このあたりは航空機事故原因と一緒で、装置産業と一体の業界は真相がどれかは明示できないのでは、とも思う。

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