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浅田次郎「蒼穹の昴」

浅田次郎「蒼穹の昴」

 NHKで放送中のドラマがなかなか面白いので原作を読んでみたが、TVドラマが所詮、娯楽番組でしかないことに気が付く。
 ストーリーの大筋と登場人物は同じであるかもしれないが、TVドラマは広大な紫禁城のセットを作ったのが自慢のまるで同じNHKドラマ「坂の上の雲」のような位置づけであろう。義兄弟とはいえ官吏である文秀と宦官である春児は会ってはいけないのである。

 これを読む前に続編である「中原の虹」を読んでしまったが、そちらと比べると本編のこちらのほうが出来がイマイチと思える。上巻のかなり部分で進士になるまでがやや冗長な印象がある。その後、袁世凱暗殺失敗で盛り上がるかと思いきや、下巻では肝心の戊戌の変法の描写が少ない。途中で乾隆帝時代に遡る手法は清末期の思想や感覚を伝えるのに良いと思うが、全般的には肩透かしをくらう部分もある。
 これらの点を考慮しても、まあ、なかなか面白いし、これだけの国を治めることの大変さ、今も彼らに残る反日感情の根源を感じることができる。

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