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「甘え」の構造 [新装版]

「甘え」の構造 [新装版]
 学生時代にたぶん読んだ本書にはさまざまなバージョンがあり、今回読んだのは、平成13年に刊行された新装版である。直前に「続「甘え」の構造」が出版されており、本書のはしがきには著者・土居健郎が本書を読む前に「続」を読むほうが良い(オイオイ!)と述べていたりする。オリジナル(昭和46年版)の10周年に追記した「甘え再考」が追録されている。

 というわけで巻末の「甘え再考」を除くとオリジナルのままであり、時代背景を思い出しながら読むと興味深い。昭和46年といえば前年の45年には安保闘争があった一方で大阪万博が開催されている。風俗としてはヒッピーなどという今は化石のような言葉も出てくる。沖縄の返還は翌昭和47年である。
 昭和20年代の終わりに渡米した筆者が受けたカルチャーショックを発端に「甘え」についての研究が始まり、ベネディクト「菊と刀」(!)の否定やらなにやらから始まる展開はなかなかスピーディーでかつ扱う範囲は非常に広大である。
 著者自身もはしがきで反省しているように何でもかんでも「甘え」でいく強引さが目につくが、「甘え」は日本人特有ではなく、欧米にもあること、しかし「甘え」に対応する言葉が欧米にはないことの違いから何を捕らえるか、など面白い。
 村上龍が対談集「存在の耐えがたきサルサ」の中で「甘えの構造」で分析した日本人の思想や将来像が対談当時を見事に言い当てていると評価していたが、この対談集からさらに10年を経過した今でもそれは変わらない。

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