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「村上春樹『1Q84』をどう読むか 」

「村上春樹『1Q84』をどう読むか 」

 評論家から今回初めて村上春樹を読んだという人まで35名による「1Q84」談義。
 河出書房新社もこんな便乗本を出しているようではなあ、と思いながらも・・・。

 出たのは2009年7月。1Q84のBOOK1/2の発売後でBOOK3は当然まだ出版されていない。
 まず安心したのは35名のうち半数以上がBOOK2で完了としていること。すなわち青豆は死んだと・・・。間違いなくBOOK3が出るという人もなかには居たが、内容まで想定した人のなかに当たっていた人は当然いない。

 控えめに見て、2割くらいが肯定派で残りは否定派。冒頭で大絶賛している加藤典洋は「村上春樹イエローページ」を出しているし、臨床心理学の岩宮恵子は「思春期をめぐる冒険―心理療法と村上春樹の世界」を書いている。
 あと何人かは賛成派だったが、このふたり以外は浅学ゆえ名前も知らない人ばかり。

 かなり雑談、暴論に近い話も多いが、「ふかえり」の綾波レイは複数の人が言及していたが、天吾がシンジかねえ。そのほか、青豆と「さきがけ」のリーダーとの関係をスターウォーズのルークとダースベーダーになぞらえたりいろいろ読み方はあるものだ。
 そんなメッタ切りに近い内容だが、あちら側にたって読めばなるほどと思えることも多い。そういう意味では面白い。ただそのレベルである。

 「1Q84」全体で個人的に違和感があったのは10歳の時の1度だけの些細な出来事を20年も保持できるのかどうかという点。まあ、「ノルウェイの森」冒頭の機内のシーンで混乱する「僕」は37歳だから20年近く引きずっているのか・・・。けっこう気の長い、執拗な主人公たちである。

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