« 自転車の点検 | Main | はじめての文学 村上春樹 »

村上春樹「めくらやなぎと眠る女」

村上春樹「めくらやなぎと眠る女」 とても読みやすい短篇集である。

 収録作:めくらやなぎと、眠る女/バースデイ・ガール/ニューヨーク炭鉱の悲劇/飛行機――あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか/鏡/我らの時代のフォークロア――高度資本主義前史/ハンティング・ナイフ/カンガルー日和/かいつぶり/人喰い猫/貧乏な叔母さんの話/嘔吐1979/七番目の男/スパゲティーの年に/トニー滝谷/とんがり焼の盛衰/氷男/蟹/螢/偶然の旅人/ハナレイ・ベイ/どこであれそれが見つかりそうな場所で/日々移動する腎臓のかたちをした石/品川猿

 短篇の楽しみのひとつは題名とのギャップ。長編にももちろんそれはあるが、短篇の場合はギャップの有無がすぐにわかり、読み終えたあとに題名について考えることができる。
 題名の印象と中身とのギャップが一番大きいのは表題作「めくらやなぎと、眠る女」。読むのは2回め。めくらやなぎと眠る女はストーリーインストーリーであり、話の中での回想シーンで登場する。けっして奇譚ではない。「ニューヨーク炭鉱の悲劇」もこれに次ぐかな。

 村上作品は長編でも死者あるいはこの世のものではないものや動物と話をしたりあるいはというような場面がけっこうあるが、あまり不自然と感じない。この作品集でもそういう物語はいくつかある。その代表作は「貧乏な叔母さんの話」だろう。「ハナレイ・ベイ」「品川猿」も秀作。
 「螢」だけはどうしても「ノルウェイの森」と重なってしまうのはいたしかないが、壁のピンナップがこの作品では「プレイボーイ」であり「ノルウェイの森」では「平凡パンチ」なのは一応チェック・・・。

|

« 自転車の点検 | Main | はじめての文学 村上春樹 »

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/2457/47493826

Listed below are links to weblogs that reference 村上春樹「めくらやなぎと眠る女」:

« 自転車の点検 | Main | はじめての文学 村上春樹 »