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吉本隆明 全マンガ論

吉本隆明 全マンガ論―表現としてのマンガ・アニメ
 吉本隆明が語ると難しくなるのかと思ったが、そういうわけではなかった。

刊行は2009年であるが主な執筆、対談は80年代から90年代なので作品もその時期のものになっている。
 やはり手塚治虫から始まるの。しかしぼくは鉄腕アトムのアニメをリアルタイムに見た世代ながら、幼稚園時代なのでさすがに記憶にはない。アニメでは「リボンの騎士」を見るのが女の子アニメみたいで恥ずかしかった記憶がある。マンガとしては「ジャングル大帝」のレオが小さい頃と「火の鳥」の前半が面白かった。「ブラック・ジャック」の頃はすでに多数のアニメがあったのでなんとも思わなかった。
 取り上げた作品は「沈黙の艦隊」「さらば宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダム」「新世紀エヴァンゲリオン」「イデオン」「風の谷のナウシカ」など。
 なお、ガンダムの富野さんがエヴァンゲリオンの庵野さんを(というかその作品を)批判したことに吉本さんは明確には理解できないとしながらも。エヴァンゲリンで多用される「殲滅」という言葉について、戦中世代としての「殲滅」のイメージを例にあげて違和感を述べていたのが印象的である。
 ぼくもファーストガンダムとエヴァンゲリオンは全部見ているが、エヴァンゲリオンに違和感は多少感じる部分があるが、それは描写に関わる部分であり体験から来るものではない。吉本は同じように「風の谷のナウシカ」についてマンガとアニメの差について述べているがこれは氏と同じ印象を持った。すなわちアニメでは優しくて強い少女だが、マンガでは王一族として国を守るために苦悩しながら戦いをしていく哀しい戦士である。これは映画の描き方の問題である。

 マンガ論としてそれほど斬新なものは見あたらないが、吉本隆明が語ったということが大事なのだろう。
 マンガもひとつの「共同幻想」なんだから。

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Tracked on 2009.10.18 at 04:01

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