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ランス・アームストロング「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく
 ランス・アームストロング「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」を読んだ。

原題は「It's not about the Bike」自転車の話じゃないよ、である。

この本は自転車好きやアメリカでは有名なので日本の一般市民向けに簡単に解説を。

ランス・アームストロングはアメリカのサイクリニストで世界最高の自転車レースであるツール・ド・フランスを1999年から2005年まで7連覇した超人である。和題のマイヨ・ジョーヌとはツール・ド・フランスで総合トップ(それまでの通算走行時間が一番短い選手)が着る黄色いジャージのこと。
ツール・ド・フランスは出場するだけでも名誉であり戦後の日本人では今中大介ひとりしか参加できなかったが、今年は13年ぶりに2名が参加できた。毎日200キロ前後のレースを3週間続けて約3500キロを走る。一度でもステージ優勝(1日のレースで勝つこと)すればその選手はそれだけで喰っていけるし、総合優勝すればスーパースターだ。

ランスは、父親の顔を知らず母一人で育てられ、恵まれた心肺機能と体力でプロの自転車レーサーになるが、デビューしてまもなく25歳のときに睾丸癌になる。暗澹たる思いの中、翌日睾丸摘出手術。直前に精子銀行に将来の子種を預ける。精密検査の結果、肺と脳への転移を確認。何人かの医師の意見を聞き納得できた医師の元で脳の手術。続いて化学療法を行う。
化学療法の中身も細かく描かれている。そして生存率20%以下の状況から回復し、即座に癌基金の設立を行うが、回復後のどうしょうもない無力感にさいなまれる中で結婚。精子銀行に預けた精子を使って妻は対外受精を行うが、体外受精のための準備についても詳しく書いてある。体外受精なんて卵子を取り出して受精させて元に戻す割と簡単な作業かと思っていたが、毎日何回も注射を打つ大変な作業であることを初めて知った。

妻、母、友人知人の声援でなんとか立ち直ったランスは99年にツールに2回めの参加をし、そこで初めての総合優勝を達成。それまでの記録を綴ったのがこの本である。2000年8月に日本版刊行なので帯には「2000年も総合優勝し2連覇という偉業を達成」と紹介されていた。その後あと3回連続で勝ってしまうのだが(それまでのツールの最多総合優勝は5勝)。しかも2005年に引退したのになんと今年2009年に復活宣言、38歳になるのに・・。さらに3月に落車(自転車で転ぶこと)して鎖骨を骨折したのに、またツールに参加している・・・。7月12日終了時点で総合3位・・。25日の終了時には何位になっているんだろうか。

というわけで、たしかに自転車よりも癌の話が多い。自分にとって癌が一番であり自転車はその次だと言っている。癌になりそこから生還したことで得たものや、癌に関わる活動を行うことが彼にとって最優先の事項なのだ。もちろん、治療費を払うために車を売った頃と違い、所属チームから給料を一切もらわずにいてもスポンサー契約で30億の収入がある今だから言えることかもしれないが・・・。

いずれにせよ、自転車を知らなくても引き込まれる本である。
Amazonで5つ星の数が多いのにも納得できる。

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