「ツール・ド・フランス 勝利の礎」
「ツール・ド・フランス 勝利の礎」はランス・アームストロングでツール7連覇、2007年にはコンタドールで8勝目をあげ、2009年にチームアスタナの監督に戻ってきたヨハン・ブリュニールの著書である。
かなり面白い。
結果がわかっているサクセス・ストーリーなので自転車レースに精通した人には、当たり前すぎてつまらない部分もあるかもしれないが、ロードレース観戦初心者には、チームの成り立ち、選手の立場、レースの駆け引きなどTV中継ではわからない部分が理解できて興味深い。
ランス。・アームストロングが高ケイデンス型の選手(軽めのギアで高回転させて走る)であることは今では常識だが、この型にしたのは他ならぬヨハンである、というかそれまでツールを完走したことがなかったランスをいきなり7連覇させた中心人物でもある。その他様々なエピソードもアームストロングについてよく知る人には常識のようだが。
ただし、必ずしも時系列に書かれているわけではなく、エピソードごとにまとまっているのでAMAZONの否定的なレビューにあるようにインタビュー記事から書き起こしたのかもしれないなあという印象はあった。
そういう欠点はあるものの、やはりツール7連覇に至る道のりやコンタドールで8勝めをあげるための戦略など読み応えはある。
特に2005年のランスの最後の年や07年のコンタドールの記事では、現在開催中のツールに参加している選手(コンタドールもランスも)も多く登場するのでわかりやすい。
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