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外山滋比古「日本語の作法」

外山滋比古「日本語の作法」
 外山滋比古という著者の懐かしい響きに誘われて読んでみた。学生の頃を思い出す。正しい日本語にこだわる著者は正しい日本語を書く。したがって現代国語の問題によく取り上げられた。小林秀雄のような難解な文章ではなかったのが救いであるが。

 というわけでいかにも正しい日本語についての本である。
 1923年生まれということもありITやインターネットの世界についてはいささか堅めの印象をお持ちながらWEB閲覧くらいはされているようでそのようなネタもある。

 正しい日本語についての本というとさすがに五十歳間近の自分にはわかり切ったことが多いが、この方の本はさすがにそんなレベルにはとどまらない。もちろん氏は日本語の崩壊を悲しんでいるが、言葉は変化していくものとの理解や諦観もあり、ジジイの愚痴や説教に聞こえないのがさすがである。
 誤用もみんなが使えばそれが正しい言葉になっていく。そのいくつかはAMAZONのレビューにあがっているのでごらんいただくとして、日本語の使い方のみならず、相手との距離の置き方やしぐさなどビジネスマナーの本でもある。

 活字が大きく行間もゆったりとしており、それだけで味わって読もうかという気になる。

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エンゾ・早川「ラクダのコブのある自転車乗りになりたい 」

エンゾ・早川「ラクダのコブのある自転車乗りになりたい 」

 エンゾ・早川「ラクダのコブのある自転車乗りになりたい 」を読んだ。
 自転車雑誌「バイシクルクラブ」で自転車のセッティングや走り方の話でよく出てくるこの人、いったい何者だろうというのがこの本を手にした発端。
 この本はそうでもないが、他の本のレビューを見ると叩かれていることも多い。レーサーでもなく成り行きで自転車屋になってしまった著者が経験的に取得した持論を排他的に展開するので賛否両論は当然だろう。その来歴故か、この人の記事は有名な元レーサーと出ることが多いのはそんな否定論を排除するためかもしれない。

 本としてはなかなか面白い。バイクのセッティングには詳しくないので著者の主張が正しいのかどうかはわからないが、自転車の楽しみ方のひとつの形を知ることができる。

 さて、エンゾ氏が推奨する自転車の乗り方は「背中にラクダのコブができるような」乗り方である。骨盤をたてて手をハンドルに伸ばす。たしかに多くのプロライダーはこのカッコウである。特に下ハンドルをもってスピードを出すときはそうだ。一方、ネットで調べるとこれと真っ向から反対する「やまめ」という方式がある。これは骨盤を倒して乗る乗り方。

 ぼくは、クロスバイクなんで、さほど関係ないけど、おなかをへこますように骨盤立てて乗ってます。気がつくと倒れてますが・・・。

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町田ダリア園 2009/7/26


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 こちらのサイトに掲載されていた小野路の坂を見に行きがてら町田ダリア園をちら見してきた

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今尾恵介「線路を楽しむ鉄道学」

今尾恵介「線路を楽しむ鉄道学」

 今尾恵介「線路を楽しむ鉄道学」はテツ初心者向けの本というか、鉄道に少し興味がある人向けのネタ本という感じ。
 軌道幅や勾配、スイッチバック、ループといった初歩的な事項から、鉄橋、トンネルなどのベストxxなどいろいろ楽しめる。
興味深いのは地形から路線を考察する箇所。平面図で見るとなんでわざわざこんなに迂回するのか、さては大物政治家の力かというような路線も開通当時の技術力と地形によるものが多い。
 そのひとつとして中央線の辰野のいわゆる大八回りがあがっている。これは代議士伊藤大八によるものとされているが、笹子トンネルが日本一のトンネルの時代に塩尻峠を貫通する塩嶺トンネルが掘れるわけがない(塩嶺トンネル開通は1983年)ので技術的にはこの路線しかなかったわけだ。中央線には同じような話が塩山にもある。

 面白い本だが、前半はこの人の本にありがちな、やや詰め込み感がある。
 鉄道関係の本は地図など図解で見たい部分が多いが、図が少なくわかりにくい。もう少し解説項目を少なくして図を入れるとわかりやすくなるだろう。

 後半は読みやすい。これは話題に地図や図が必要がないものが多いことと、ひとつのテーマに割く項目が長めになっているので、文章だけで内容が理解できるためだ。

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愛宕給水塔 2009/7/19


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 ジブリ映画「耳をすませば」に登場する愛宕給水塔まで行って帰りに「ふさよし」でそばを食べてきました。

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江戸東京たてもの園 2009/7/18


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「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルといわれる子宝湯があることで有名な江戸東京たてもの園に行って来た。

 入り口が国立近代美術館顔負けの立派さなのに驚いたが、紀元2600年式典で使った光華殿という建物ということで納得。
 見学者は中高年主体かと思ったが、意外なほど若い人が多い、カップルや女性二人連れが多い。

 子宝湯付近のたたずまいはいろいろ目にしているので、昭和レトロの下町の建物を集めた「三丁目の夕日」的な安っぽい観光地のようなところかと思ったが、茅葺き屋根の家、大正や昭和初期の洋館などの建物に加え、遺跡などの屋外展示もあり、建物群の間は林で覆われなかなか居心地がいい。

 例によって時間に追われて、見学したのは1時間ほどだが、3時間くらいかけるとゆっくり見られるだろう。

 帰りは下り基調だったが、適当に走ったのと信号待ちが多くて蒸し暑くて参った。ハンガーノックになる前に途中のコンビニで補給した。

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ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破

 ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破を見てきた。
 序より面白い。

 いつもながら画面がとてもきれい。
 大画面・大音響・綺麗な画像を楽しめる。
 ストーリーは「エヴァンゲリオン」版1Q84というか、得意のパラレルワールドだ。
 前作・序でもその傾向はあったが、さらにその傾向が深まり、TV版のストーリーながら少しずつ異なってくる。
 そうそう、惣流・アスカ・ラングレーの頭の日本名が「式波」になっていた。
 鈴原トウジは参号機に乗らない!
 アスカが代りに乗るが、起動実験で爆発、使徒となり、ダミープラグで操作される初号機に粉砕されるところは同じだが、その後、精神汚染の可能性があるとされるシーンは新劇場版を4作で押さえるために帳尻を合わせたな、という感じがあった。
 あと、綾波レイが喋る!
 カオル君はなぜか途中の宇宙でたたずんでいただけなのが意外だった。
 
 前作はエンドロールの後に破の予告があったので、今回もエンドロールで席を立つ人はいなかった。

 次回作は「急」ではなく「Q」。もちろん1Q84よりも先に決まっていたが。

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ランス・アームストロング「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく
 ランス・アームストロング「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」を読んだ。

原題は「It's not about the Bike」自転車の話じゃないよ、である。

この本は自転車好きやアメリカでは有名なので日本の一般市民向けに簡単に解説を。

ランス・アームストロングはアメリカのサイクリニストで世界最高の自転車レースであるツール・ド・フランスを1999年から2005年まで7連覇した超人である。和題のマイヨ・ジョーヌとはツール・ド・フランスで総合トップ(それまでの通算走行時間が一番短い選手)が着る黄色いジャージのこと。
ツール・ド・フランスは出場するだけでも名誉であり戦後の日本人では今中大介ひとりしか参加できなかったが、今年は13年ぶりに2名が参加できた。毎日200キロ前後のレースを3週間続けて約3500キロを走る。一度でもステージ優勝(1日のレースで勝つこと)すればその選手はそれだけで喰っていけるし、総合優勝すればスーパースターだ。

ランスは、父親の顔を知らず母一人で育てられ、恵まれた心肺機能と体力でプロの自転車レーサーになるが、デビューしてまもなく25歳のときに睾丸癌になる。暗澹たる思いの中、翌日睾丸摘出手術。直前に精子銀行に将来の子種を預ける。精密検査の結果、肺と脳への転移を確認。何人かの医師の意見を聞き納得できた医師の元で脳の手術。続いて化学療法を行う。
化学療法の中身も細かく描かれている。そして生存率20%以下の状況から回復し、即座に癌基金の設立を行うが、回復後のどうしょうもない無力感にさいなまれる中で結婚。精子銀行に預けた精子を使って妻は対外受精を行うが、体外受精のための準備についても詳しく書いてある。体外受精なんて卵子を取り出して受精させて元に戻す割と簡単な作業かと思っていたが、毎日何回も注射を打つ大変な作業であることを初めて知った。

妻、母、友人知人の声援でなんとか立ち直ったランスは99年にツールに2回めの参加をし、そこで初めての総合優勝を達成。それまでの記録を綴ったのがこの本である。2000年8月に日本版刊行なので帯には「2000年も総合優勝し2連覇という偉業を達成」と紹介されていた。その後あと3回連続で勝ってしまうのだが(それまでのツールの最多総合優勝は5勝)。しかも2005年に引退したのになんと今年2009年に復活宣言、38歳になるのに・・。さらに3月に落車(自転車で転ぶこと)して鎖骨を骨折したのに、またツールに参加している・・・。7月12日終了時点で総合3位・・。25日の終了時には何位になっているんだろうか。

というわけで、たしかに自転車よりも癌の話が多い。自分にとって癌が一番であり自転車はその次だと言っている。癌になりそこから生還したことで得たものや、癌に関わる活動を行うことが彼にとって最優先の事項なのだ。もちろん、治療費を払うために車を売った頃と違い、所属チームから給料を一切もらわずにいてもスポンサー契約で30億の収入がある今だから言えることかもしれないが・・・。

いずれにせよ、自転車を知らなくても引き込まれる本である。
Amazonで5つ星の数が多いのにも納得できる。

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愛宕団地周回コース 2009/7/12


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こちらのサイトに掲載されていた近隣の団地周回コースを走ってみた。
 コースそのものは車では何回も走ったことがあるが、自転車は初めて。多摩センター駅から見ると見上げるように構えた丘であり、いかにも登るにつらそうなコースなので避けていたが、乞田五差路の先のT字路から入ると平坦な道から始まるのでこちらで試してみた。
 
 初心者にはちょっときつい登りもあるが、車が少ないこと、なぜか登りよりも下りが多い気がする(そんなはずないが・・・)軽快なコースだった。
 最後にネットでちょっと評判の蕎麦や、ふさよしまで行ったが夕食時間が迫っていたので今回はおあずけにした。

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「もうひとつの劔岳 点の記」

もうひとつの劔岳 点の記
 「もうひとつの劔岳 点の記」という題名に惹かれて読んでみた。
 前半は映画の宣伝のようなもの。撮影スタッフの日記、撮影を支えた山小屋やガイドの対談、原作者新田次郎の娘、藤原咲子の談話など。
 がっかりしながら後半に入るとちょっと面白い。
 最初が野々村邦夫(元国土地理院理事長、「タモリ倶楽部」に地図マニア(当然)としても登場)による測量や三角点の話に始まり、自らが図化した剱岳の標高の話。この中で野々村さんは剱岳の標高を2997mとしたが、公表された数字は柴崎(点の記の主人公の測量士)が計算した2997m。それ以前は3003mとされていたがなぜそうなったのかは野々村さんも知らないという。ちなみにGPSで測定した現在の標高は2999m。
 次に本編ともいえる測量登山の謎。これは柴崎はいつ登ったのか、長次郎は登ったのかどうか、という話。映画や小説ではふたりは堅い信頼感のもと初登頂を成し遂げるが、どうも事実はかなり違うという話。
 さらに小島烏水のこと。
 この本で木村監督が映画での最後のシーン、手旗は創作と述べているが、小島烏水たちが剱に登ったのも同時期ではなく2年後であるが、そんな小島がサラリーマンの傍ら年に1度の2週間の休暇での登山や山岳会設立までの奮闘を近藤信行さんが解説している。
 最後に立山信仰の歴史の解説のあとに山と渓谷社らしく剱岳の写真と登山ガイドを数コース。

 読むべき箇所は後半だろう。前半は映画のWebサイトでも見ていればいい。
 なお、前半のガイドの対談や野々村さんの話など一部は雑誌「山と渓谷」2009年6月号掲載のものと同じである。

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「ツール・ド・フランス 勝利の礎」

ツール・ド・フランス 勝利の礎
 「ツール・ド・フランス 勝利の礎」はランス・アームストロングでツール7連覇、2007年にはコンタドールで8勝目をあげ、2009年にチームアスタナの監督に戻ってきたヨハン・ブリュニールの著書である。

 かなり面白い。

 結果がわかっているサクセス・ストーリーなので自転車レースに精通した人には、当たり前すぎてつまらない部分もあるかもしれないが、ロードレース観戦初心者には、チームの成り立ち、選手の立場、レースの駆け引きなどTV中継ではわからない部分が理解できて興味深い。
 ランス。・アームストロングが高ケイデンス型の選手(軽めのギアで高回転させて走る)であることは今では常識だが、この型にしたのは他ならぬヨハンである、というかそれまでツールを完走したことがなかったランスをいきなり7連覇させた中心人物でもある。その他様々なエピソードもアームストロングについてよく知る人には常識のようだが。

 ただし、必ずしも時系列に書かれているわけではなく、エピソードごとにまとまっているのでAMAZONの否定的なレビューにあるようにインタビュー記事から書き起こしたのかもしれないなあという印象はあった。
 そういう欠点はあるものの、やはりツール7連覇に至る道のりやコンタドールで8勝めをあげるための戦略など読み応えはある。
 特に2005年のランスの最後の年や07年のコンタドールの記事では、現在開催中のツールに参加している選手(コンタドールもランスも)も多く登場するのでわかりやすい。

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ツール・ド・フランス 第3ステージは別府が8位

今日は別府史之が8位!

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新城幸也 ツール・ド・フランスいきなり5位

ツール・ド・フランス2007 スペシャルBOX


ツール・ド・フランス第2ステージ
e2byスカパーの16日無料体験で、ライブで見てました。
新城幸也 ゴールスプリントで惜しくも5位。日本人初。
鈴木亜久里がF1で初めて表彰台に上がったとき以来の興奮でした。

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映画「剣岳 点の記」

映画「剣岳 点の記」を見てきた。
新田次郎の原作を読んだのは拙作WEBに記録がないのでたぶん10年以上前、たぶん20年以上前だと思う。
 原作が史実に基づいているので、陸地測量部の測量手柴崎が三角点設置のため、未踏の剣岳に宇治長次郎と登頂に成功したが、登頂した山頂には奈良時代のものと思われる修験者の錫杖があったため、初登頂ではなかったという流れは変えようもない。

 映画で良かったのはなんといっても映像の美しさ。これでもかこれでもかというくらいに四季の剣岳と周辺の山々が写っている。
 気に入らないと思ったのは初登頂をかけてせめぎ合う日本山岳会の小島烏水(うすい)の描き方。最初はキザなインテリ風に登場し、後半以降は柴崎に敬意を評しているが、小島は金持ちではなかったし、ああいう性格ではなかったとその著書に触れると感じる。映画をわかりやすくするとはいえちょっとなあ、という感じがした。小島についてはこちらがよくまとまっている。

 登頂や測量の仕事は全く女っ気がないので、柴崎の新婚の妻に宮崎あおいを登場させたり、長次郎の奥さんに鈴木砂羽(という人でした)を使って色合い?を出していたのがほほえましかった。


この映画については制作決定当初から日本測量協会が特集を組んでおり上記小島烏水のページもこの一部である。内容が膨大であるが一部でも読んでみると面白い。日本測量協会 剣岳・点の記コーナー

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深大寺 2009/7/4


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 調布飛行場でクラシックな飛行機の離着陸でも見てから、深大寺で蕎麦でも食おうかと1日数本しかない調布飛行場の時刻を調べて出発するものの、調布市街に出るのに意外に時間がかかり、深大寺に直接向かって蕎麦を食べた。
 そのまま帰ってしまうとお寺に申し訳ないので本堂周辺をぶらぶら。
 帰りは適当に南下して久しぶりに府中界隈の多摩サイを走る。意外なほど空いていた。
 
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「日本の地名遺産「難読・おもしろ・謎解き」探訪記51」

今尾恵介「日本の地名遺産「難読・おもしろ・謎解き」探訪記51」

 地図おたくであり、テツである今尾さんは年齢も出身も同じで現在の住まいも割と近い(隣の市だが)ことに加え、今ほどTV(NHKとかタモリ倶楽部とか)に出ていなかった頃には内輪の講演会で本にサインをもらったりしたこともあり、著書を見つけると手に取っている。
 ビジネス誌「東洋経済」7月4日号の特集「鉄道進化論」では鉄道関連の書籍の傾向として2冊も今尾さんの本が掲載されていた(題名だけだけど)。

 そんなテツであり地図おたくの今尾さんが地図を眺めていて気になった面白い地名をたどるというのが本書。う~ん、前段で持ち上げたんだけど、今尾さんはけっこう文章下手なんだよね。もともとは雑誌の連載だから文字数とか制限があるのだろうけど、もうすこしメリハリの文章を期待する。なかにはなかなかの文章もあるんだが、どうも時系列に事実を羅列する傾向で読みにくい。あまり細部のできごとにこだわらずにスポットを絞った書き方にすると良いのでは。

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「富士山を汚すのは誰か―清掃登山と環境問題」

富士山を汚すのは誰か―清掃登山と環境問題
 野口健「富士山を汚すのは誰か―清掃登山と環境問題」は、とても真摯な本である。
 
 この本を読んだきっかけはネットで「野口健はこの本では富士山の世界遺産登録について積極的ではない」というような書き込みを見たためだ。
 世界遺産そのものはいいものだろうが、それに踊らされて登録運動を行う日本人の習性が好きではない。日本人にはこういう傾向が多い。百名山然りと、この本で野口も書いている。

 エベレストで日本隊のごみや富士山の汚さを知らされ、気持ちが定まらぬまま「エベレスト清掃登山をする」と宣言。前半はこのエベレスト清掃登山の話である。通常の登山よりも高所に長時間滞在したことが原因で自身も体調不調となるほか、大切な同胞であるシェルパ3名を亡くしてしまうが、シェルパ仲間に励まされ当初予定どおり4年間の清掃登山を完了し、その活動が知られるにつれ他国の登山隊もゴミを出さない方法になったきた。
 一方で、富士山といえば厳冬期しか知らなかった野口にとって夏の富士山の汚さは衝撃的だった。
 富士山のゴミは、1:夏期に集中する大量の登山者のゴミ(屎尿を含む)、2:青木ヶ原樹海を代表とする不法投棄、3:五合目付近を中心とする観光バス、交通渋滞、排気ガスの問題に分けられる。これらの解決に野口は乗り出して行くが、富士山を巡っては山梨県と静岡県が仲が悪く、また市町村間も仲が悪い。これらについてどのようにあたったのかの具体的な記述はあまりないが、きっかけとして、石原都知事や小池百合子環境大臣(当時)がすぐに動いてくれたことを感謝の念をもって記載している。都知事や環境相に直接訴える機会を得られるだけの実績を彼が作ってきたからこそだろう。

 野口は最近TVのバラエティ番組などにも出ているが、正直あんまりぱっとしない。が、最初のTVコマーシャルであるネスカフェで清掃登山を訴えてからスポンサーを得られるようになったことから、あらゆる機会でメディアへの露出によりメッセージを伝えようとしている。

 尾瀬のように大部分が一つの企業が所有しているとか白山のように信仰に守られた山でもないから、汚さないためには、ヨーロッパのように登山電車を整備して自動車を閉め出すか、入山規制をするしかないだろうなというのが野口の考え。

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