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堀江敏幸「未見坂」

未見坂
 4月に予約した堀江敏幸「未見坂」の順番が回ってきたので読んでみた。きっかけはネットで読んだこの書評だったような。
 書評の内容も予約した経緯もすっかり忘れていたが、読んだ後でこの書評を読むとなるほどと思える部分が多い。
 短編集である。
 どの登場人物も家族が主体であり、しかもその家族は完全ではない。片親が亡くなっていたり、いい歳をして独身だったり、両親が不仲だったり・・・。そんな境遇ながらもなんとなくほっとする話が多くいずれも読後感が良い。2作めの「苦い手」は上司が酔った勢いで押しつけられた電子レンジを45歳独身の息子が母と暮らす家に持ち帰り初めて母が電子レンジを使ってみるというだけの話であるが、最後のページではなぜかジーンとくるものがあった。
 ちょっと不幸な家族を題材にすると感動作を作りやすいだろうし、文学としては常套手段かもしれないが、しつこくないところがいい感じである。東野圭吾ではこうさらりとはいかないだろう。

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