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今尾恵介「多摩の鉄道沿線 古今御案内」

今尾恵介「多摩の鉄道沿線 古今御案内」 下の画像はカバーを広げたもの。絵は表裏の見返しまで続くのでこの絵の左右にも絵がある。四谷新宿から高尾山、多摩御陵まで京王線沿線が描かれている。作者は鳥瞰図の第一人者、吉田初三郎。吉田初三郎ファンならばこの絵を鑑賞するだけでこの本を購入する価値がある。


 表紙


 中身は「多摩の鉄道沿線」ということで京王、小田急、西武、JR中央線はもちろん、それらの支線や南武線、八高線など全路線、さらに廃線となった鉄道まで網羅しており、さながら「多摩全鉄道の歴史」の様相である。 印象深いのはこれらの鉄道が明治・大正などかなり早い時期にかなり整備されていたことである。もちろんそれには歴史上の理由があり、日本のシルクロードと言われた横浜線、秩父・多摩の石灰を運ぶための西武や青梅線、近年に入っては多摩川の砂利運搬のためのものである。特に多摩川の砂利運搬はこの地域のほとんどの鉄道の発祥となっており、砂利堀の跡地の京王閣(もとは遊園地)など痕跡もかなりある。山手線の鉄橋の多くは多摩川の砂利によるセメントらしいので今でも多摩川の砂利が山手線を支えている。

 冒頭は著者が住む京王線に始まり、多摩ニュータウンをはじめとした近年の開発を生で感じてきた著者の熱い思いが感じられ多少加熱気味であるが、それ以降はいつもの今尾節で淡々と歴史が語られていく。

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