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森 博嗣「少し変わった子あります」

森 博嗣「少し変わった子あります」

 映画が原作の世界観をどこまで表現しているのかはわからないが、映画「スカイ・クロラ」を見たので(原作はまだ読んでいないのでその代わりに)同じ森博嗣の「少し変わった子あります」を読んでみた。
 
 カバーは細身の若い女性のイラスト、奥付けを見ると初出一覧があり、表題作のほか「もう少し変わった子あります」「また少し変わった子あります」という感じで文芸春秋に連載された連作であることがわかる。
 「あります」というのは「います」というのとは少し違う。英題は、Eccentric persons are in stock.
 なるほど、在庫あり、ですか。

 知人から聞いた謎の料理屋。店の名前はなく、場所は毎回変わる。一人でしか入れない。若いふつうの女性が同席して食事をする。個人的なことを尋ねることや店の外で会うことは禁止。しかも毎回相手は変わる。共通しているのは食事の仕方、動きがとても上品なこと。ほとんど言葉を交わさずに終わる回もあるが、主人公の大学の先生はその間にいろいろな思考をして、けっこう充実した気分で二人分の食事代を払う。そんな連作が淡々と綴られる。しかし何十回も通い続けたら、お店の場所や女性の「在庫」はどうなるんだろうと思うころ、意外な形で連作は終了する。

 ひょっとすると似たような趣向のお店ならあるかもしれないと思わせる、「少し変わった」世界。なかなか読後感がいい。
 「スカイ・クロラ」とほんの少し似た香りがする気がする。

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