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「落語の国からのぞいてみれば」

落語の国からのぞいてみれば
 堀井憲一郎「落語の国からのぞいてみれば」は講談社の広告誌「本」に連載している「落語の向こうのニッポン」を新書化したものである。8月号の連載ではこの本について述べている。「本」の連載がなかなか面白いので、新書も読んでみたが、内容はなかなか良いが新書にまとめてみると連載中に感じたくせのある文体が気になった。落語の本なのに、センスのない駄洒落やまるで口述筆記したような余計な文末の一言が多すぎる。「本」に1回で連載する量であればそれほど気にはならないが、まとまると鼻につく。
 この傾向は同じ作者の「『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。」は題名からだめだったが、やはり途中で嫌になってやめてしまった。

 しかし、この本、視点はなかなか面白い。落語を聞く上での基本的な知識ともいえるし、文明批評はいいすぎにしても比較文化論ともとれる。基本は落語の舞台となる江戸時代とそれを聞く現代との人々の意識や常識の差である。
 たとえば旧暦と月の満ち欠けはさすがに現代人でもわかるが、夜の真の暗闇を知らない現代人には日付=夜の明るさを示すことが実感できないと行った現代との感覚や慣習、常識の違いを述べていく。
 まだ連載中なのでこれから書かれるテーマもあるし、本書のなかで随所に触れられているが、江戸の地理感覚について独立したテーマがあってもいいかなと思う。

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