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中島義道「うるさい日本の私」「偏食的生き方のすすめ」

中島義道「うるさい日本の私」
 「まあ、よくやるよな、暇人」というか「時間の自由がきく大学教授・・・」。というのが最初のあたりを読んだ感想。著者は町中のあらゆる騒音、なかでも無駄な放送やテープ音などに敢然と立ち向かう、そんな著者の戦闘記録である。が、最後のほうになってもう少し「哲学的?」な日本人論が展開される。
 ただ、著者の主張にはうなずけないものもある。たとえば電車の車内放送で駅に到着する前に社内放送で「次はXX」と何度も言っているのだから、到着した駅で再度「XX」というのは不要だ、というもの。少なくとも車内で爆睡状態になるぼくにとっては「次は」の時は聞こえておらず、「XX」の到着のアナウンスで慌てて降りる、って全く平和だが・・・。
 それとやはり著者は聴覚過敏の傾向があるのでは、という気はする。
 昔、音の強弱の相対性を表す話として、昼間の喧噪の中での柱時計の音と夜の柱時計の音の比較の例を読んだことがある。昼間の喧噪では柱時計の振り子のチクタクの音は聞こえないし、また昼間はその音に興味が行かないので聞こえないが、夜の静寂とともに、チクタクを聞く姿勢もでき、聞こえてくる、というものである。
 だから、どうだというものでもない。

 電車の中でiPodを聞いていても別の人の音漏れは気になるが、車内放送や線路の音は気にならないぼくだが、中島先生よりはふつうの聴覚だと思う。



中島義道「偏食的生き方のすすめ」

 この本は著者の日常がつづられながらも、いきなり偏食の話になる。日記的記述も多く、音に怒る著者の行動もよく出てくるので「うるさい日本の私」を読んでからだと、なかなか面白い。
 ぼくもかなりの偏食で、野菜は基本的に苦手、漬け物だめ、梅干しだめ、キムチ嫌い。高校の修学旅行で能登に行くまで刺身も食べたことがなかった。それでも子供の頃から比べるとかなり改善したが、著者は間違って嫌いなものを食べてしまって、問題なくてもそこで改善しない、というかする気がない。
 ビーフカレーは大丈夫だが牛丼はだめとか、よくわからない偏食も多い。
 で、著者がこの本でいいたいのは偏食そのものよりも偏食的人生というかものの考え方である。
 こういう人がユーザーだとかなりいやであろう。が、人ごととして読むとなかなか面白い。

 中野翠の解説でのポイントがぼくが感じたものとほぼ同じだったので、おお、ぼくは中野翠レベルには偏食ではないと思った。

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