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疋田智「大人の自転車ライフ 」

疋田智「大人の自転車ライフ 」
 疋田智「大人の自転車ライフ 」は昨日読んだ入門書の作者によるもの。
 著者の自転車ライフの紹介はもちろんであるが、自身の経験を踏まえ、自転車を取り巻く国内の課題など、海外との比較しながら幅広く語るなかなか印象的なエッセイ集である。
 著者は本業はTBSのディレクター、南砂の自宅から赤坂まで自転車通勤をしている。距離約12キロ。ぼくの場合、自宅から職場まで30キロあるのでさすがに挑戦しようと思わないが、今日も連休明けの超満員電車の中で「ああ、自転車通勤できる距離ならトライするかもなあ」と思った。

 日本の道路はほとんどの歩道で自転車が走れるがこれは先進国では日本だけらしい。自転車先進国のヨーロッパの人が見ると「野蛮」となる。弱者である歩行者の領域に車道では弱者の自転車を歩道に追いやることが「野蛮」なのだと。ドイツなどは都心部にはかなり強制的に車を排除し、路面電車と自転車で環境確保と自転車優遇をしているが、渋滞を別としても、こういう正統的な政策を決断する政府や、それに素直に従う国民、そもそもそういうニーズを出していく国民性に、まだまだ日本はほど遠いと思う。

 自転車と自動車あるいは車道では利権の規模も全く違うし、政治的な課題は山積みであるが、概ね発展途上国ほど、自転車よりバイクが偉く、さらに車が偉いという図式になっていて、自転車に乗るのは貧民という感覚が残っているのが一番の問題だと著者はいうがなるほどである。中国、韓国にその傾向が強く東南アジアでは、さらに露骨なようだ。

 それにしても今ままで車上の人だったので、広くない道路で車から眺める自転車のイメージ、すなわち、邪魔だなあという感じはよくわかる。一方で夏の暑い日でもヘルメットかぶって坂を上る自転車たちに一種尊敬と「ようやるわい」と思っていたことも事実。だから著者が語る自転車の対車対策、安全確保策は素直にわかる。

 巻末に2004年の記録であるが、谷垣財務相(当時)との対談がある。どこでこんなツテをとも思ったが、あの谷垣さんが相当な自転車乗りであったのがとても意外で興味深かった。

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