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大森久雄「山の旅本の旅―登る歓び、読む愉しみ」

大森久雄「山の旅本の旅―登る歓び、読む愉しみ」
大森久雄「山の旅本の旅―登る歓び、読む愉しみ」を読んだ。
 著者は朋文堂などで山岳関係書籍の出版に携わってきた人であり、登山もする。山の本を知っている人であればこのひとが深田「日本百名山」の企画者であったことも有名であろう。
 ということでこの本は深田さんとのかかわりや百名山企画とその功罪についても触れられている。最近の百名山ブームとそれに伴う中高年を中心としたモラルの低下や山の荒廃は深田さんに直接の罪はないだろうが、あるとすれば100と区切ってしまったことだろうと氏はいう。これが98とか103とかの半端な数で連載が終わっていれば、単なる深田さんが選んだ個人的名山で終わったのが100にしたことで、それを目指す、数を稼ぐことが良いような風潮が生まれてしまった。そして深田百名山に入らなかった名山を入れるために200名山とか300名山とかまで選定されるようになってしまった。
  ぼくの新日本百名山
 深田久弥の山の文章は味わいがあるし、「日本百名山」は秀逸な文章で、山ごとにかなりの言い回しを覚えているくらい馴染んでる。しかし最近は百名山ブームを嫌がり深田久弥の「日本百名山」に選定された100の山をあえて「深田百名山」と呼ぶようになってきたが、これは中高年の体力を考慮いただき、岩崎元郎が新たに選んだ「新日本百名山」と区別しているわけではなく、あくまでも深田さんが選んだ個人的な、という意味である 。

 深田クラブという会がある。この会そのものは深田百名山を登る会ではなく、深田久弥の著作と山への考えに共感する人の集まりであり、誰でも入会できるが、「百名山」がなかったらこの会は発足したのだろうか・・・。しかも、この会は会則に200名山選定をうたい、実際「日本200名山」を選定、出版している。まあ、200名山になるとこれを完登することで自慢する人はすでに深田百名山を登り終えた人なので数は少ないので、ブームにはならないだろうが、「混む山へは行かない」と言っていた深田さんのことばをどう心得ているのか疑問。

 まあ、相撲の番付ではないが、日本人は他人が設定した権威付けが好きなので仕方ないか。

本の感想から、思いっきりずれてしまった。本そのものは温かみのある文章でなかなか良いです。

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