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後藤田正晴「政と官」

後藤田正晴「政と官」わが上司 後藤田正晴―決断するペシミスト
後藤田正晴「政と官」を読んだ。
 後藤田正晴については佐々淳行「わが上司 後藤田正晴―決断するペシミスト」を読んだことがある。佐々さんから見た後藤田さんは常に悲観的な想定をしながら物事を決断していった。後藤田も佐々も警察官僚だからそうなるだろう。
 「政と官」は一部に著者の生い立ち、経歴が記されており、警察庁退官後の政界入りの判断も記されている。政治家も官僚も経験した後藤田さんによる両者の境目と役割分担はわかりやすい。戦前の「天皇の官吏」から戦後の「国民の公僕」に立場が変わっているのにそれを認識していない官僚が残っているとの記述はさもありなんである。
 また、このクラスからみた、田中角栄、中曽根、竹下、宮沢、安倍(もちろん父親のほう)、細川といった有名政治家の評価は興味深い。

 この人の本を読んでみようかと思ったのは中曽根政権での官房長官時代、イラン・イラク戦争でのアラビア湾への自衛隊派遣を拒否したからだ。専守防衛の範囲をどう考えたのか、憲法との関係をどう考えたのかを知りたかったからである。現在の憲法の解釈では専守防衛が限界であり、また機雷掃海作業なども自衛隊法の設立趣旨から日本近海に限定されるから無理である、ということ。この問題に限らず成文解釈には限度があるのだから法律が間違っていると思えば政治家は法律を変えてから行動せねばいけない、という考え方である。だから自衛隊派遣反対=憲法改訂反対とはならず、目的にあった法律の改定を行うことが代議制民主主義で選ばれた政治家の役割である、という非常に筋の通った話になる。閣僚の不祥事と本人の経験不足で政権を投げ出してしまった安倍(息子のほう)さんの政権方針は正しかったと最近になって再評価されているのにもうなずける。

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