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「運命を分けたザイル」

運命を分けたザイル
 「運命を分けたザイル」を見た。
 この映画のことは事前に全く知らなかった。高所遭難の映画では「バーティカル・リミット」という映像がチャチなのがあるのでやや引き気味に見始めた。映画と文芸の違いはあるにしても、はたしてノンフィクションである「凍」を超えられるか・・・。

(以下、ネタバレ)

 最初の部分で、物語が実際の遭難を扱ったノンフィクションであることが判明し、生還した本人たちが説明を入れながら物語は進む。舞台は南米アンデス、6千メートル級の未到峰シウラ・グランデでの遭難である。海外の山は詳しくはないが、映像は雪線や山容を見る限り少なくとも手軽なロケという感じではない(ロケ地は事件の舞台を含めアンデスとのこと)。
バーティカル・リミット 雪上や岩壁でのシーンはかなり迫真ではないかと思う。

 映画の邦題は「運命を分けたザイル」であるが原作は「死のクレバス」である。
 下山途中で右足を骨折したジョー・シンプソンはその時点で自力下山が不能であること、パートナーのサイモン・イェーツが自分を残して下山するであろうこと、すなわち自分が死ぬことを覚悟するが、サイモンはザイルを結んでジョーをゆっくり下ろすことを選ぶ。しかしジョーは途中で宙吊になってしまい荷重を支え切れないサイモンは二人とも滑落することを防ぐためにジョーとのザイルを切る。
 ジョーはクレバスの底に落ちていく。
 普通はこれで死ぬのだが、彼は死なない。途中の棚にひっかかって一命を取り留める。そんなことがあるんだ、実際に・・・。しかも元からの骨折以外はとくにけがはない。
 その事実を知らないサイモンはひとり下山し、キャンプで自責の念にさいなまれつつなかなかキャンプをあとにしない。

 映画に本人たちも出ているので二人とも無事(生きて、という意味)に生還していることはわかっているが、クレバスに落ちたジョーが、どのようにこれを打開していくのか、ザイルが切れた(切った)あと、別々になったふたりがどのように生還するのかはなかなか迫力がある。原作が落ちた(ザイルを切られた)本人が描いているのでこのあたりは詳しい。
 クレバスを登ろうとして挫折、底が見えないさらなる深みへの決死の下降、クレバスからの脱出・・・・。光を取り戻したジョーであったがそこからはまだ長い氷河を片足で下る必要がある。杖代わりのものは短いアイスバイルだけ。雪や氷河の上はなんとか後ろ向きに座って進む、さきに下山したサイモンの足跡を目印に進むもやがて雪に足跡は消され、さらに氷河が終わると岩稜帯・・・・、ここからははいつくばって行く。20分後に目標地点に着くことだけを自分に言い聞かせながら激痛のする右足を動かす。
 やがてキャンプの手前まできて、すでにサイモンが下山しているに違いないとの落胆、精神錯乱できらいなバンドの音楽が頭の中をぐるぐるしている状態でサイモンの名を呼び続ける。ふたりが留守の間、キャンプを守っていた男はその声を聞くが、人間ではない化け物と信じて何もできないなか、サイモンはすぐに探しに出かけて、ぼろぼろになったジョーを見つける。

 「すまなかった」とあやまるサイモンにジョーは「あの状況ならおれも同じことをした」と答える。
 エンディングロールでザイルを切ったことで帰国後サイモンは山岳界から非難を浴び、それをジョーが擁護していると出ていた。

 感想を書くより、どうしてもストーリーを書いてしまう。ストーリーを説明すればその状況がわかり、それによって受けたこちらの感覚もわかろうというもの。

 率直な感想・・・・鍛えた人間てあんなに飲まず食わずでも動けるのだ・・・。
 
 ジョーもサイモンももちろん今でも山を登っている・・・。

 ネットでもかなり評判がいい映画のようである。

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