続・トヨタのサービス体制への疑問
トヨタ(厳密にはぼくの車のディーラー)のサービス体制については過去に嫌な思いをしたが、最近の出来事について報告しておこう。
10月18日 スパシオに乗る家内から、車がちょっと変だという連絡があった。会社帰りに車を見るとタイヤ空気圧低下の警報ランプがついている。空気圧を計ると1本だけ異常に低い。この時18:30。まだディーラーはやっている(20時まで)が「入庫予約をしていない」ので見てもらえないかもしれないと思い、ディーラーより近いスタンドで見てもらったら、やはりパンクで大きなネジが埋まっていた。「修理、うちでもできますけど」とのスタンドの兄ちゃん。スタンドの作業って高いんだよなあ、と思いつつも、これからディーラーに行っても見てもらえないだろうなあ、と思い、パンク修理剤で応急処置をしてもらった(やっぱり高かった。パンク修理剤が10本買えるかも・・・)。で、帰宅、すでにディーラーの営業時間の20時を10分ほど過ぎていたが、念のためにディーラーに寄って見た。
店内はまだ明るいが、社員に「今日はもう工場、無理ですか」と聞いたら、案の定「今日は、終わりました」との回答。ぼくはここで「どうかされましたか」と聞いて欲しかった。いやしくも営業時間が終わったことを認識している顧客が見てほしそうな顔してやってきたのに、「終わりました」だけかよ。
「どうなさいました」と聞かれれば、実はかくかくしかじかなんだけど、スタンドの修理はあてにできないから確認してほしいんだけど、と用件も言っただろうし、そのとき「申し訳ありませんが、これからの作業はできないので、足回りが不安でしたらお車をお預かりできませんか」といわれれば不信感も払拭できただろうに。車はお客の命の乗せているものという認識はないんだろうな。
数日後、ぼくが乗るレガシーでブレーキ鳴きがするので、「入庫予約」なしでスバルに持っていった。症状を話すと即入庫、しばらくして「申し訳ないが、今日はリフトが混んでいてあと2時間近くかかるかもしれない。代車を用意したので、予定があればお出かけください」との申し出があった。えー!、こっちが言わないのに代車用意してくれているの?
スパシオのパンクのあとディーラーでの確認をしてもらっていなかったので、その日はレガシーの点検が終わったら、レガシーでトヨタに乗り付けてスパシオの点検を「入庫予約」なしで依頼しようと考えていたので、代車の新型レガシーでディーラーに乗りつけて依頼をしたら「このお客はうち以外でもう1台乗っているのか」と認識したらしく、すぐに点検OK、終わったあとに「ご主人はレガシーなんですね」と猫なで声で営業が擦り寄ってきた。来年車検のスパシオを見て「新車のパンフレットお持ちになりますか」といわれたので「けっこうです、買い換える余裕ありませんから(おたくでは絶対に買わないから)」と帰宅した。
トヨタとスバルでは(少なくともぼくが接したディーラーは)、なぜここまで違うのだろう。もちろんスバル(残念なことにトヨタ資本だが)との顧客数、繁忙度の違いという物理的な問題があるだろう。しかし、結局これって、ユーザーにも「ジャストインタイム」を要求しているんだと思った。
「ジャストインタイム」とは世界的に有名なトヨタの生産体制で、誤解を恐れずにいえば、下請けの部品は必要なときに納品し、それまでは納品するな、という制度である。これにより保管コスト、金利リスクを回避し、在庫、陳腐化リスクも回避する効率的な仕組み。
サービスもユーザにジャストインタイムを要求しているのだな、急にくるな、予約したらその時間に来い、という、企業から見れば効率的な思考なのだろうし、中央がそれを(要するに利益を)要求しているんだろうなあ、と思った。
しかし、先の新潟地震で下請け工場が操業停止したとたんにトヨタの生産ラインが止まるというリスクが顕在化したのがぎちぎちスケジュールのジャストインタイム方式でもある。余裕も遊びもない仕組みがユーザに不信感を与えるということに、なぜに余裕と遊びが必須のステアリングハンドルを作る自動車メーカーは気がつかないのだろう。
まあ、世界一の会社ですからね、時価総額はiPodのアップル以下でも。
P.S トヨタ東京カローラのサイトに「トヨタ東京カローラでは、いつでもお客様をお迎えできるように、一般的に最も時間的な余裕があると思われる土曜・日曜・祝日といった休日も休まず営業しております。」との記述がある。
おまえらサービス業だろ、小売業だろ。デパートやスーパーはじめ小売業で日曜営業をえらそうに語っているところはほかにあるのかねえ?
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