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ミッドナイトイーグル

高嶋哲夫「ミッドナイトイーグル」

 11月23日に公開された映画「ミッドナイトイーグル」を見てきた。

 なかなか良い出来である。

 原作は高嶋哲夫の同名小説。ネットを見ると山岳小説としてもなかなか良い出来らしい。

 先日、NHKハイビジョン特集「白夜の大岩壁に挑む~クライマー山野井夫妻~」を見て、久しぶりにこの系統の書籍に興味を持ったところにこの映画の公開を知った。舞台は北アルプス。予告編では北穂からの槍ヶ岳が映る。特集番組によればロケは新潟、上越地方の津南とのことだが、どこまで穂高が出てくるのだろうというネタ探しの興味もある。

 近所のワーナーマイカルは21時だというのにけっこうな人出。
 TSUTAYAのTカードでチケットを購入したらやけに安い。開館2周年記念で今日だけ1000円だって。得した気分。

 劇場はガラガラ・・・。ロビーの人出の大半はきっと「続・三丁目の夕日」に回ったのだな、レイトショーとはいえ公開2日めの土曜日でこの入りで大丈夫なんだろうか・・・。

以下、ややネタバレあり。

 原作は2000年刊行であるが、映画では六カ国協議などの台詞もありもっと現代に置き換えられている。
 オープニングは戦場カメラマン西崎(大沢たかお)の戦場でのシーンから始まる。
 次に冬の穂高の稜線を一人で歩く西崎の遠景。このシーンは眼下に上高地が見えたので穂高での撮影だが、遠景だったので大沢たかおではなく代役では。西穂っぽい風景もあったが一瞬だったのと現地を経験していないので不確か。吹雪のシーンでは八ヶ岳の赤岳鉱泉から見た大同心を見上げたものもあった。
 北アルプス、穂高までは実名が出るが、ピークや尾根の名前、登山口はすべて架空であったがストーリー展開には影響はない。

 本編131分と2時間を超える長編であるが、最初から最後までまったくだれるところがなく、しかもテンポは速すぎず無理なく物語は進む。原作は未読なのでどの程度の違いがあるかはわからないものの、ストーリーとしては無理を感じなかった。あえて言えば、実際の政権担当者があれだけ迅速に決断を出来るか、という点だろうか。それと墜落地点はかなり平らであるが穂高にあれほど水平な場所はないだろう、しかも吹雪とは言え山岳レンジャーが2日半もかかるところなんて、ということくらいか。

 西崎の山岳部後輩で新聞記者役の玉木宏はNHK土曜ドラマ「氷壁」で、主役をやったが、あのドラマが名ばかりの「氷壁」だったのでかなり印象が悪かった。今回は良かった。
 なんと言っても良かったのは自衛隊佐伯三佐を演じる吉田栄作。久しぶりに彼の姿を見たが、最盛期の軽さは影を潜めひたすら渋かった。慶子(竹内結子)の上司の編集長の石黒賢は軽すぎてストーリー全体から浮いていたように思えたが、全編に緊張感が漂うストーリーの中で息抜きのためにあえて軽めにしたのだろう。

 日本映画の割りには死んでしまう人が多すぎるような気はしたが、あれでまったくのハッピーエンドでは単なるヒーロー映画になってしまうわけで、そうしなかったことがこの映画の成功だと言える(興行的には知らないが)。

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