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「クルマの渋滞 アリの行列」

クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相
「クルマの渋滞 アリの行列」-渋滞学が教える「混雑」の真相-という本を読んだ。
 「電脳通信」という新刊パンフレットをときどき送付してくれる技術評論社の本。この出版社では数学が苦手な文科系でも読める理数系の本がけっこうあり新刊情報をときどきチェックしている。
 「クルマの渋滞 アリの行列」は技術評論社のサイトでは「数学/物理/化学」に分類されているが難しい数式は一切出てこない。伝統的な「渋滞、行列」というと待ち行列、ポアソン分布、ランダム到着とかの統計学の知識が必要だが、この本はもう少し新しい理論をもとに高速道路の自然渋滞やレジ待ちからはじまり災害時の避難誘導などの話に発展していく。クルマの渋滞で前が空いてから発進するまでに時間がかかることやパニックに陥った場合の行動などを簡単なモデルに適用していく過程はなかなか面白い。
 技術評論社のサイトでの紹介では「こんな方におすすめ」として
・なんで渋滞が起こっているのか不満をもちつつ知りたい人
・渋滞や行列について知的関心のある人
・セルオートマトンやASEPなどのシミュレーション科学に興味のある人
となっている。

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白洲信哉「小林秀雄 美と出会う旅」

小林秀雄 美と出会う旅 (とんぼの本)

 白洲信哉「小林秀雄 美と出会う旅」 (とんぼの本)を読んだ。
 白洲正子の著作を読むにつけ、受験勉強時代の小林秀雄のイメージ、すなわち難解な評論家というイメージが少しだけ変わってきた。難解さに変化はないがもう少しふつうの人間でもありあるいはもう少し外れた人間でもあるようだ。
 ということで、とんぼの本という割りとラフな概説書っぽいイメージのシリーズから小林の孫(白洲の孫でもある)が語る本で、小林秀雄再発見を狙ってみた。
 まあ、もちろんこの本そのものがそういう意図もあるのだろうということは著者自身のコメントにも見られるが、ある程度その意図は成功している気がする。
 なんといっても孫である信哉はもちろん、小林をめぐる身近な人のコメントやエピソードが多数掲載されているので、少なくとも「無常といふこと」をじっくりと読むよりは簡単に人となりに接することができる。

 そうはいってももともと難解なのだから、そう簡単にはわからないことが多いが、巻末に掲載された小林の長女であり信哉の母である明子(はるこ)による食事の話はわかりやすかった。ぼくも最近毎年訪問している山高実相寺の神代桜も小林の好みの桜のひとつであったことや、鎌倉の自宅の桜が清春白樺美術館に植え替えられていることなどは、まさに再発見である。

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エヴァンゲリヲン新劇場版:序

劇場版 NEON GENESIS EVANGELION - DEATH (TRUE) 2 : Air / まごころを君に

「エヴァンゲリヲン新劇場版:序」を先月、公開から2週間ほどたった平日に見てきた。
 序破急の序であり、ヤシマ作戦を中心とした物語であることはわかっていたのでストーリー的な新展開はあまり期待せず、大画面での絵を楽しみにし、かつ事前知識はなるべく排除して見に行った。
 
 で、この映画をマニアの方はどう評価したのかというのが少し気になり、mixiを覗いてみたのだが、ぼくが読む速度の何倍もの速度で書き込まれるので、全部を読むのは諦めてこちらにアップすることにした。何せ公開初日の昼過ぎの書き込みで、すでに2回見たとか、気になった所、前作やTV版と異なったところなどをエンドロールの後の「破」の予告編も含めてきわめて詳細にレポートしている書き込みが多く、あらためてマニアのレベルを知った。

 この映画を見るためにTV版をあわてて見た程度なので、マニアの人のようにはいかないが、気が付いた所(以下、ネタばれ)・・・。
 ・オープニングの海が赤い
 ・西暦2015年の表示がない
 ・箱根山中?に大きな人型の陥没のあとは何?
 ・起動前の初号機が瓦礫の崩落からシンジを守るシーンがない
 ・15年前からの契約ってなんだ。
 ・ミサトいきなりセントラルドグマのアダムにシンジを案内してしまう
 ・ネルフを離脱したシンジを見送るトウジとケンスケのシーンがない
 ・ヤシマ作戦の1発目もいちおう使徒に命中している
などなど細かいところでTV版と異なっており、そのひとつひとつが今後のストーリー展開に意味があるのでは、と思わせるところが多い。

 しかし、CGや画面の出来は予想したほどではなかったかな、という印象。
APPLESEED

 士郎正宗の系統とは毛色が違うので比較するには無理があるが、APPLESEEDのようなフルCGを見てしまっていると、アナログTVと地デジの画面の違いほどの差がある。

で、やっぱりエンドロールの後の破・予告編が一番面白かった・・・。

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中村清太郎「立山圏谷面」

中村清太郎「立山圏谷面」
 中村清太郎の「立山圏谷面」という油彩を入手した。12号F(606x500mm)という小部屋に飾るにはやや大きめの絵である。
 後立山連峰から立山の山崎カールを中心に描いたものである。実物が来る前にカシミールで描画地点を調べてみたが、だいたい冷池小屋あたりから描いたもののようだ。あかね書房の「日本山岳名著全集11」に収録された「山岳渇仰」付属の年譜によると昭和17年冷池に滞在して剱岳、立山を写したとあるのでその時のものかな、と思ったが、カタログには製作年不詳とあった。

 さて、物が来て裏の木枠を見る。昭和19年山岳画協会出品とある、やはり昭和17年に描いたもののようだ。しかし、同じ木枠を良く見ると「新越乗越から」との書き込みがあるのでびっくり。新越乗越とは同じ後立山連峰でも岩小屋沢岳の南、現在アルペンルートのトンネルが下を通っているあたりである。カシミールで描画してみると図のとおり雄山(立山の一番左のピーク)からの尾根の傾きが全く違う。


新越乗越からのカシミール描画
これは中村画伯の勘違いだろうと思いつつ念のため、山岳展望の権威が集まるFYAMAPに照会したところ、間違いなく冷池からであること、左手前の尾根は岩小屋沢岳から2339mの三角点まで伸びる尾根であることが分かった。
 この絵には立山の二つの有名な雪形が描かれていることを思い出し、田淵行男「山の紋章 雪形」をめくってみたら、ありました、同じ場所からの写真が。
 さらに同じ田淵行男「山の手帖」にはカラーで冷池山荘からの写真もあった。

 やはり書き込みは画伯の勘違い、弘法も筆の誤りならぬ画伯も絵の取り違え、か。 田淵行男「山の手帖」より

田淵行男「山の手帖」Ⅲ 尾根を行く 3.残雪は語る「立山連峰のカール群(後立山鹿島槍冷池小屋より)

田淵行男「山の紋章 雪形」より

田淵行男「山の紋章 雪形」Ⅳ 雪形ニューフェース 218立山(鹿島槍冷池山荘より) 左のサルマタは以前から知られていたが右のピエロは田淵が命名。

中村清太郎の絵

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飯島 夏樹「天国で君に逢えたら」

天国で君に逢えたら
 図書館の予約の順番が回ってきたので、飯島 夏樹「天国で君に逢えたら」を読んだ。映画「Life 天国で君に逢えたら」の原作といえば原作だが、つくりは(映画は見ていないので)たぶん映画とはかなり違う。
 入院患者の気持ちを代筆する「手紙屋Heaven」の立ち上げが前半を占める。ここまではどちらかというとややコメディでもあり、がん告知された著者が書いたとは思えない。
 それから代筆依頼のために入院患者が来てそのエピソードが紹介されるあたりから少し毛色が変わり、最後に作者をモデルにしたシュージの妻から、シュージの最後を伝える長い手紙が始まる。この部分とおそらくもう1冊の著書「ガンに生かされて」に書かれたことをもとにして映画は作られたのだろう。こちらも読んでみたい気もするが、苦手な系統なので正直あまり気が進まない。

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中村清太郎「山岳礼拝」

右から保護函、函、本体・・・
 中村清太郎「山岳礼拝」を読んだ。復刻版日本山岳名著全集の別巻として収録されたものであり、なかなか読み応えがあった。

【紀行】
「白峰山脈の南半」(原題は「冬の白峰山脈彷徨」)「大井川奥山の旅」の2作は「山岳渇仰」で、「黒部川峡谷の話」「雪山と廃道(所ノ沢ごもり)」「春山写生行」は「ある偃松の独白」で読んだので今回はパス。

白峰及び赤石山脈縦横記」明治42年夏の高頭式、小島烏水、高野鷹蔵、三枝威之介との南アルプス登山の記録。日本初のテントを使用。一部を除きほぼ全文を中村が書き、小島が校正、加筆している。追憶編「小島烏水」によれば探検隊隊長格であった小島に最年少の中村が「荒筋を書いてくれ」といわれたようだ。本編は登山史の観点から非常に興味深い記述が盛りだくさんであるが、追憶編ではこの登山行のハプニングや最年少中村の心中も書かれ、こちらも面白い。

 鉄道もない時代、悪沢岳を目指すのに甲府から馬車で鰍沢、ここからは徒歩で櫛形山の麓の池の茶屋を経由してやっと西山温泉となる。さらに転付峠の北を越えてやっと悪沢岳に取り付く。 赤石山系一部憶測図

 地図もなく、稜線のつながりも不明で三角点などの憶測図しかない時代。憶測図ではまだ塩見岳の名称はなく(間ノ岳になっている。白根三山の間ノ岳は別にある)、悪沢岳が主脈上になく東に突き出た山であることをこの登山で初めて発見している。地図のいい加減さに比べて中村のスケッチや絵画の綿密な描画が妙に目立つ。


赤石山頂から(部分)

塩見岳の表示はなく、間ノ岳となっている。甲斐駒もきちんとチェック。

赤石山頂から(カシミール)


 椹島などに水力発電調査のため電力会社の人間が出入りしていることに落胆しているのが楽して登ろうという最近の人たちとは大きく違う。

後立山連峰縦断記」明治43年夏、辻本満丸、三枝威之介との鹿島槍、針ノ木岳の紀行。この途上で、棒小屋乗越で中村はクモマツマキ蝶を捕獲。日本初の高山蝶の発見。ちなみに日本初のピッケル使用者にもなった。ちなみにこれに続き三枝と歩いた薬師岳で二種目の高山蝶ベニヒカゲも発見する。この章は辻本が記述したが、登山中に捕獲した「お宝」クモマツマキ蝶をたびたび確認する中村の様子を揶揄している。で、最後にたどり着いた針ノ木峠の隣の山で辻本が、ここを針ノ木岳という名にしようと山名を決めている。
 この山行の記念写真が「山を愛する写真家たち」などでも紹介されている有名な写真である。

鹿島槍から鹿島槍から

鹿島槍ヶ岳山頂から

越中アルプス縦断記」明治43年夏、上記の後立山連峰を踏破した中村と三枝はさらに立山方面を目指す。黒部川の平で黒部の主、遠山品衛門がかけたモッコの渡しを使い、五色が原に抜ける。中村はこの場所が相当気に入ったようだ。その後、まだ稜線の続きがわからない薬師岳を経由、頂上で偶然にも田部重治に会い、その後、念願の黒部五郎岳の登頂を果たすが、天候が回復せずエスケープルートとして西鎌尾根から槍ヶ岳へ向かい上高地に下りた。この紀行は中村が執筆している。


北薬師岳の北から
北薬師岳の北から

北薬師岳の北より。

【随想】
表題作「山岳礼拝」「ある偃松の独白」など長短11編を収める。
東京より見ゆる山のこと」:短編であるが、同じ日に東京の別の場所から南アルプスの白い峰を見た中村と木暮理太郎はその晩に協議して悪沢岳と結論付けるなど、後の木暮の「望岳都東京」につながる逸話があり興味深い。
 当時から六郷土手から白根三山が見えたことは有名だったようだ。
日本南アルプスの思い出」。「白峰及び赤石山脈縦横記」の裏話という感じのエッセイ。面白い。
ある偃松の独白」(小説)。同名の表題作もあるが、「山岳礼拝」の裏の見返しにはこの小説に関連する「老いたる偃松」の絵があり、再読した。この偃松は木曽駒のものであろう。
黒部川初遡行の追憶」大正8年夏の木暮理太郎との遡行記。黒部の案内人助七と立山の案内人(宇治長次郎)との確執というか長次郎が黒部という場所を考慮し助七に花を持たせたために準備不足などにより結局目的の後立山への遠征はかなわず室堂に抜けることになる。宇奈月温泉からのトロッコ列車はもちろん、日電の水平歩道(という暢気な名前から想像できない道だが)もない時代、愛本から歩いて黒部に入る。詳細な記述は木暮の「山の憶ひ出」の「黒部川を遡る」にあるのでこちらも読んだ。

【追憶】
 小島烏水、高頭仁兵衛、高野鷹蔵、木暮理太郎、茨木猪之吉、辻本満丸と辻村伊助、加賀正太郎について。ほとんどが追悼文であるが、書き方から察するに一部は未完となった「日本登山史」の原稿の一部のようだ。
 いずれも貴重な交遊録である、それ自体が「日本登山史」と言える。それにしても横浜正金銀行(後の東京銀行、さらに現在の三菱東京UFJ銀行)に勤務していた小島はなんであんなに山に行く時間が取れたのだか、現代のサラリーマンから見るととても不思議。しかも彼はアメリカに2年ほど赴任しているんだけど・・。「日本山嶽志」の高頭は付き人に「ふだんなら次の間か敷居越でしか話ができないのに同じ天幕に入れるとは山は幸せだ」と言わせた本当のお大名だし、加賀正太郎(中村とは小学校、大学で同級)は加賀証券社長でご存知ニッカを創設している。いつもお金がなくて知人宅を渡り歩いた茨木猪之吉を別にすれば、関東大震災で屋敷ごと埋まって遭難死した「スウィス日記」の辻村も含め、みんなお金と時間となによりも気力と体力があったのでしょうね。

 中村と小島は30年近くお隣どおしだったようだ。
 辻本はググってみると登山家としてよりも工学博士としての記事が多かったのが意外。 やっぱり正体不明なのが木暮理太郎さんでしょうか。

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映画「となり町戦争」

となり町戦争
 江口洋介、原田知世「となり町戦争」をDVDで見た。
 昨年、原作を読んだときに映画は劇場で見たいなと思っていたが、mixiのコミュでも全然話題にならないままマイナーな映画はさっさと公開は終わってしまった。
 
 前半は原作をそのままの感じでストーリーが進み、このあたりはかなりコメディタッチでもある。後半になると実は原作のストーリー展開をよく覚えておらず、映画の展開からああ、そういえばそうだったとか思い出す。香西さん(原田)の弟とか、北原(江口)の上司とか。このあたりからストーリーはかなり重くなり、たぶん原作にはなかったラブストーリーっぽい雰囲気も出てくるが、北原と香西の微妙な距離感などは映画のなせるわざでもあり、悪くはない。
伊予鉄道700系
 めちゃくちゃ重くはなく、感動的でもなく、バラエティでもないところが原作と同様で読後感がある原作と同様の感覚が残るが、最後の旧京王線5000系(伊予鉄道700系)でのシーンはやりすぎ。

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腰部脊柱管狭窄症

中高年の坐骨神経痛―原因となる「腰部脊柱管狭窄症」の治療
 ついにこんな本のお世話になることになりました・・・。

 歩いていて足がしびれることが以前からたまにありましたが、最近、その頻度が増してきたので、病院へ行ったところ、「第4腰椎変性すべり症腰部脊柱管狭窄症の初期症状、進行性なので完治しません。内部をMRIで確認しましょう」とのことでMRI撮影。結果「もともと脊柱管が狭いですね。で患部は予想以上によくないです」と言われ、とりあえずビタミンB12や血行促進剤が投与され、「水中歩行など腰に負担のない運動をして、寝る前にストレッチを」と言われ・・・。
 まあ、加齢によるものもあり、仕方ないといえば仕方ないが、歩くことがいけない病気(というか歩いていると症状が発生する)なので山やの端くれとしては困ったことに。もっとも杖をついたりして腰が曲がった状態ならいいらしい。
 子供の頃から姿勢が悪いとか背筋を伸ばせと言われて来たのに、今度は背筋を伸ばすな、立っているときは何かに寄りかかれ、となってしまった。

 座っているときは何もないので仕事や日常生活には問題がないし、通勤電車でも何かにもたれているせいかしびれはほとんど出ないのだが、歩くと数分でしびれが始まる。一時期よりしびれの強さは減少しているので立っていられないほどのしびれはないが、もともと最近は10分以上連続して歩いたことがないので・・・。

 とりあえずずっとやっていなかったけど道具はそのままだったゴルフクラブは売りました。本当は減量して、腹筋をつけるのがいいらしい。
 道のりは遠い。

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SUUNTO Core/Lumi出足快調

SUUNTO Core 今月発売のSUUNTO Core/Lumi。出だしは順調のようです。デザインにさまざまなバリエーションがあり、選択肢は豊富であるが、よく見ると微妙に価格が違う。
 
SUUNTO X6HR

SUUNTOはVector,X9i,X6HRと購入、汗をかく夏はメッシュのバンドのX9i、その他はX6HRと現役で頑張っているので、今のところ、VECTOR後継とされるCore/Lumiシリーズは当面購入予定はない。
 X9iで感じたのは、黒い画面に白抜きの文字は視認性がよくないということ。

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