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白洲正子「鶴川日記」

白洲正子「鶴川日記」 白洲正子「鶴川日記」を読んだ。
 なんと気品に満ちた文章であろう。
 海軍大将・樺山資紀伯爵の孫娘であることを知らなくても、14歳でアメリカ留学した、この明治生まれの女性の生まれ、育ち、そして交友関係が極めて上流の部類に入ることが匂うような文章である。息子は小林秀雄の娘を娶ったわけでそれだけでも十分に教養人であるにしても麹町育ちの思い出話が全く鼻に付かないのは、貴族たるゆえんだろうが、貴族の友人がいないのでわからない・・・。

 前半の「鶴川日記」は高度成長期以前の多摩の歴史を読むようで面白かった。神社やお寺、そして村や字の名前が多数登場するのでカシミールで地形図を追いながら読んだ。「東京の坂」は山の手の坂の話。最近(といっても執筆当時の昭和50年代だが)の話もあるが幼少の頃の話も多く、こちらはアルプス社のプロアトラス(坂の名前が詳細に記してあることを今回発見)をPCに広げて読んだが、この電子地図にも記載されていない坂もいくつか出てきた。

 「心に残る人々」は交遊録が中心であるが、薩摩出身の祖父・樺山資紀を語る中で記した明治維新や西南戦争への記述は太平洋戦争の経験者と戦後生まれとの違いを彷彿とさせる。

 白洲次郎・正子夫妻が住んだ武相荘は自宅から直線だと5キロも離れていないのだが未見である。

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