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中山康樹「超ブルーノート入門」

「超ブルーノート入門―ジャズの究極・1500番台のすすめ 」「超ブルーノート入門完結編―4000番台の至福」

 ジャズを聴き始めて一応30年もたつのでブルーノートがジャズの有名なレーベルであることくらいは知っているし、わずかながらレコード(CDでなくて・・・)も持っている。
 それでもまじめに研究したこともないので、たまに名盤紹介の本を読むことがあるが、あまり面白いものではない。名盤にはそれなりの由来がありそれを作者が強調すればするほど、ほんとかいな、というような醒めた感覚を持つ。クラシックにせよ、ジャズにせよ、名盤紹介というのはプレーヤーそのものではなくどうしてもアルバムに話題が寄り、しかもたいてい紙面が限られているせいか、著者の空回りのような本が多かった。

 今回の2冊(「超ブルーノート入門―ジャズの究極・1500番台のすすめ 」「超ブルーノート入門完結編―4000番台の至福」)はその期待を見事に裏切りとても面白く、びっくりした。

 この本はブルーノートの「名盤」紹介ではなく名盤が多い1500番台と4000番台を番号順にすべて紹介することでブルーノートそのもの、すなわちブルーノートの設立者でありプロデューサーであるアルフレッド・ライオンのジャズへの考え方、レコードの考え方を紹介していく。読者はレコードの解説を読みながら、ブルーノートの変遷やプレーヤーの栄枯盛衰も見ていくことになり、すこしばかりのドラマが生まれてくる。ブルーノートの1枚1枚のアルバムを語ることでジャズ史を語っている。
 著者の中山康樹のジャズ評論の書き方は受け狙いとの意見もあり、たしかにそれを感じる書き方も所々に見られるが、このような興味深い構成をとったことに軍配を上げたい。
 ジャズの名盤はどのようにして出来上がるのか。もちろんプレーヤーが一番であるが、その組み合わせ、ホーン構成、曲などソフトの部分、そしてレコーディングエンジニア、さらにジャケットデザインであることがよくわかる。ジャケットについてこんな記述があった。
「ケニー・バレル Vol.2 」
 ケニー・バレルの2枚めのアルバムのジャケットを担当したデザイナーの話。
「28歳のアーティストは無名で、仕事も収入もなかった。あるのは才能と情熱だけだ。そのアーティストはリード(デザイン担当者)からジャズ・ギタリストのイラストを描くよう依頼され、わずか15分で仕上げる。青年はイラストの下に名前を入れた。Andy Wahol」
ソニークラーク「クール・ストラッティン」

 蛇足だが、ジャズのアルバムで一番有名なジャケットといえばやはりブルーノートの1588番だろうか。
 Cool Struttin'のジャケットデザインもリード・マイルスである。

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