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細川貂々「ツレがうつになりまして」

ツレがうつになりまして
 細川 貂々「ツレがうつになりまして」を読んだ。
 PCサポートをやっていた39歳の夫がうつ病になってから徐々に回復するまでを漫画家である著者が漫画でレポートしたもの。相当の苦労があったはずだが、あくまで楽しく読めるように工夫している。
 うつ病の症状等はいろいろな場所で書かれているが、じゃあ、そういう人を抱える家庭は実際にはどんな感じなのか、本人はどうしているのか、というのはなかなか想像しにくい。また、うつ病になる兆候やきっかけは何だったのか、そういうことを具体的に表現していてなかなか良い本だと思う。

 もともとアスペルガー(だが高機能自閉症ではない、との本人申告あり)の家内が一時期うつ状態になったことがあり、この本の「つれ」と比較すると、軽くてよかったかもと思える。うちは娘がかなり特異で生活しにくい自閉症なので娘のほうには注意が向くが、家内のアスペルガー状態に慣れてしまったのか、はたまたぼくが鈍感だけなのか、当時何が原因でうつ状態になり、どうやって回復したのか、実はぜんぜん記憶にない・・・。ただ、やたらと買ったばかりのものや家内が仕事で必要なPCや備品をだああ~っと捨てようとしていたことだけは記憶に残っている。

 家内のレビュー

自閉症の僕が跳びはねる理由 もう1冊。東田直樹「自閉症の僕が跳びはねる理由」

 東田直樹君は中学から養護学校に入った軽い自閉症で、会話の苦手な彼がPCで書いた本である。自閉症の本人はなかなかこのような文章を書けないのでそれだけで貴重ではあるが、娘との比較で読むと「こういう場合はこうしてください」という彼の主張はあくまで彼のみに当てはまることであって自閉症の最大公約数ではない。こういう人が人材がマスメディアに露出することは悪いことではないが、すべての起業家がホリエモンではないことと同じで、見慣れないものを見るときにすべて同じ尺度で見ると危ないな、と思う。
 この本そのものについていえば、彼の主張に対して心療内科や精神科の専門家が個別にコメントなり解説をつけるべきではなかったか、と思う。

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