魔法のことば―星野道夫講演集

魔法のことば―星野道夫講演集を読んだ。2003年に刊行された講演集で10回の講演を収めている。
一個人の講演集に「魔法のことば」とはかなり大胆だな、と題名を見て思った。
アラスカとの最初のかかわり(北極圏の村への手紙と滞在)や鯨のブリーチング(海面に飛び上がる鯨の動作)を見た友人の感想、身近な自然と遠くにある自然、アラスカインディアン、エスキモーとモンゴロイドである日本人星野とのつながり、カリブーの季節移動、クマの冬眠の目覚め、クジラ漁など講演される内容はだいたい決まっている。
最初の3つくらいを読んだあと、あまりに内容が同じなので少し飽きたが我慢して読み続けると繰り返し話される内容に慣れたのか、同じことが話されることが快感になってくる。内容を知っている落語やコントを何度も見るようで、ここでこう言うぞと期待する。 「なるほどこれが魔法か」と合点する。
巻末に池澤夏樹がこれらを締めくくるのがなかなか良い。
ただし、読んだのが初版だったとはいえ、八ヶ岳自然ふれあいセンターを2箇所も「山形県」とするなど初歩的な誤植が何箇所かあり興醒め。


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