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「植草さんについて知っていることを話そう 」

高平 哲郎「植草さんについて知っていることを話そう 」
 70年代以前にジャズを聴いた人あるいは映画やサブカルチャーに興味を持った人ならMrJ.J、植草甚一の名前は聞いたはず。
 ぼくが初めてその名を聞いたのは、高校生当時すでに1000枚のレコードを持ち、桜木町のちぐさやダウンビートに連れて行き、油井正一になりたい、と言っていた友人Jからだったか。たまに買ったスイングジャーナル誌だったか、いずれにしても植草甚一はジャズ評論家であるのが第一印象で、そういう意味ではライナーノーツとスイングジャーナルで文字でしか出会わない油井正一や野口久光と同じラインにあった。
 だから「ぼくは散歩と雑学がすき」を見た(読んだではなく本屋で見た)ときは意外な印象があった。いずれにせよ、やっぱりかなり変わったおじさんで、はまるとまずいというのが受験生だった当時の印象で、読んだことがなかった。
 1ヶ月ほど前、NHKでシリーズ 粋な男の肖像「昔、男ありけり」という番組で、白洲次郎などとともに放映され、そういえばそんな人がいたなあ、と思い出した。

 山の写真集をヤフオクで落札したら、10冊まで送料が同じだったので植草甚一の本を同時に入手した。その本が来るまでに基礎知識をということで借りてきた本が、高平 哲郎「植草さんについて知っていることを話そう 」である。
 このテーマでかつて対談したもの、あるいは新規にインタビューしたものの記録であり、相手はナベサダ、ヒノテル、片岡義男、森田芳光、タモリ、山下洋輔、和田誠、野田秀樹、来生えつこなど多種多様、蒼々たるメンバー。タモリが植草の遺品のレコード4000枚を買い取ったエピソードも思い出した。
Bitches Brew
 で、なぜかこの本できっと一番登場したアルバムがマイルスのBitches Brew だったのでそれを聞きながら書いてます。1枚めはよくわからんが2枚めの1曲めのSpanish Keyはけっこう好き。一番好きなのはCircle in the round のLove for saleだが。夜中にZライトのスポットだけにした暗い自室をジャズ喫茶と思いこみ、まだ数枚しかなかったLPをリクライニングチェアにもたれ、ロックのグラスを片手に聞いていた頃を思い出す。

 読めば読むほど不思議な人である。本人の解説付の巻末の年譜が面白い。2・26事件の朝の雪の情景に感動したり、空襲で焼夷弾に逃げ惑ったあとで「空襲の不安と面白さと緊張感の毎日は、田舎にいて疎開しろとすすめてくれる人にはわからなかったんです」と言い切る・・・。

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