横田祐介「日本アルプス」
横田祐介「日本アルプス」は当初3巻で刊行予定であったが、横田が取材中に事故死してしまったのでやむなく1巻となった写真集である。昭和39年11月の刊行。限定1000部。当時の定価5,000円はかなりの高額だろう。
でかい。B4縦という大判である。題字はぼくの高校の先輩でもある土門拳。まえがきは写真家・浜谷浩。
最初のページは右に縦長のこぶしの花を中景でとらえた地味なカラー写真。安曇野の神城での撮影である。雪の残る里山を背景にあまり発色のよくないこぶしの花が写る。次は見開きで田んぼが大きな山村風景の奥に雪の爺ヶ岳が霞む・・・。という助走を経て、次のページからは燕岳から雲湧く立山・剣の写真へと続き、冬の八方尾根でたたずむ登山者を捉えたモノクロの写真で36枚の写真が終わる。
写真が終わると次からは串田孫一が、これまでの写真を振り返るように写真の素材についてのエッセーを1ページづつ収め、最後に横田本人の山日記で終わる。詳細は左の目次写真をごらんいただきたい。
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