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足立源一郎「山は屋上より」



 足立源一郎は山の画家として知名度はおそらく中村清太郎などよりも上位であり、茨木猪之吉の次ぐらいになるのではないか。足立を含めた4人の山岳画家の作品を集めた美術館が安曇野にある(安曇野山岳美術館)。

「山は屋上より」というから街中から眺める山岳展望の本と思いきやさにあらず。屋上からの山は筆者の最初の山との対面の話であり、冒頭に山との馴れ初めを記したその後は、全国いや海外までも山紀行の話になる。
 時には原色全面の独特のスケッチもあるが、それ以上に多いのはモノクロのスケッチであり、これはなかなか良い。
 採り上げる山は南北アルプスや八ヶ岳、日光、九重、屋久島と幅広く、戦前の国内であった白頭山・金剛山(現北朝鮮)や満州におよび雪山・スキーとなかなか幅広い。さし絵のスケッチを眺めるだけでも十分だろうが、あまり堅苦しくなく淡々とした語り口は知らぬ間にページが進む。

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