千住真理子のコンサートへ行こう
「千住真理子とコンサートへ行こう」に触発されたわけではないが、千住真理子のコンサートに行ってきた。
クラシックのコンサートは中学以来2回目・・・。
場所は文京シビックホール。S席料金が4500円と安価なのは、入場料の最高額が5000円以下だとホール使用料が15%引きになるからか・・。席は1階の真ん中よりもやや後方、24列め。舞台まではかなり距離がある。この距離でバイオリンの生の音はどの程度の大きさで届くのか、などと思いつつ開演を待つ。観客は中高年が多いが、若い人の姿も少なくとも山よりは多い・・・。事前の情報が少ないので演目も千住さんがいつ出るのかもよくわからない・・。
と、スロヴアキア室内オーケストラのメンバーとソリストのおじさん(エヴァルト・ダネルという人)がバイオリンを持って登場。千住さんの出番はまだのようだ。
いかにも室内曲、器楽曲だけれども曲名が全然わからない曲で静かにコンサートは開始した。事前の心配をよそにダネルおじさんのバイオリンも適度な音量でよく響く。気持ちの良い曲が続いてときどき寝そうになる・・・。立ち位置を事前に慎重に決める千住さんと違い、ダネルおじさんはかなり歩き回る感じで弾いていた。まるで飲み屋で弾き語りをするように楽しそうだ。
1時間弱で第一部が終了、15分の休憩になる。外では千住さんのCDや本(千住真理子とコンサートに行こう)を売っている。コンサート終了後にサイン会があるようだ。
8時を過ぎて第2部が始まる。演目はビバルディの「四季」。
千住さんは黄色いワンピースで登場した。遠めということもあるが予想以上に華奢、顔が小さい。でもきっと腕は筋肉なんだろうな。
「四季」の「春」の最初のメロディくらいぼくでもよく知っている。イントロなしでいきなりバイオリンから入るはずだが、所詮器楽曲、大音量で始まる記憶はなかった。
ところが・・・、ストラディバリウス・デュランディの最初の一音が脳天を直撃した。頭のてっぺんから中の方が振動したのだ。
「えっ、何これ?」。数秒で慣れたが、最初の響き、音量の凄さ。ストラディバリ、デュランディ、千住真理子って意識しているせいかとも思ったが、たぶんそうではない。違う。違うと言っても、千住さんのほかのバイオリンでの演奏はもちろん、生のバイオリンは今日初めて聴くので偉そうには言えないのだが、比較するとしたら、CDやレコード、そして第一部のダネルおじさんのバイオリンということになろうか。
「千住家にストラディヴァリウスが来た日」の中でこのバイオリンを試し弾きをした音を兄・千住明が聞いていて「あの音は本物だ」と真理子に購入を勧めるシーンがある。さすがに音楽家だとバイオリンの音の違いもわかるんだな、でも素人にはわからないだろうな、と思ったのだが。他のバイオリンとのアンサンブルのシーンでは他のバイオリンときちんと一緒になるが、ソロっぽい箇所になると音が前に出てくる。ステージを見ていなくても響きで分かる。
「千住真理子とコンサートへ行こう」は千住さんの著作の中ではたぶん最も軽くて、とにかくコンサートで生のバイオリンを聴いて!という本なのだが、なるほどこういうことだったのか。
第一部ではうたたねしてしまったが、第二部は真剣に聞いてしまった。
買うつもりは事前にも休憩時間にもなかったのだが、今日の驚きの記念に家にないCDを1枚買ってサインと握手をしてもらった。まじかで見た千住さんは、やっぱり顔が小さかった。
P.S 中学・高校時代の千住さんのバイオリンを時々聴いていた家人によれば「借り物のバイオリンでも千住さんが弾くと背筋がぞくっとした」そうである。
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