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「千住家にストラディヴァリウスが来た日」

千住家にストラディヴァリウスが来た日
 千住文子「千住家にストラディヴァリウスが来た日」を読んだ。
 題名からは高価なバイオリンをめぐるドタバタ物語という先入観があったが、違った。

 昨日読んだ「千住家の教育白書」でも感じたが、二人の息子と一人の娘が、「千住家で一番の芸術家は母」というとおり、なかなかのストーリーテラーである。最低でも「億」の単位がかかるストラディヴァリウス・デュランティを父の遺言どおり正攻法で資金調達して千住家にやってくるまでの話をなかなかドラマチックに、そして決して第3者ではなく当事者の興奮を以って語っている。

 全体の構成などは編集者が指導するのであろうが、話に無駄がなく、また母親にしかかけない娘・千住真理子の心情を心の変化をつぶさにかつ簡潔に表現している。この本をいきなり読んだ人のために、これまでのいくつかの重大な出来事で千住家の面々を紹介し、無理なく物語に入れる。

 題名が「千住真理子に」ではなく「千住家に」となっている意味、その違いは大きい。
 資金的に到底入手は不可能と諦めている母と娘を尻目に二人の兄は信念を持って獲得に進んでいく。千住真理子個人ではなく千住家がみんなで入手したのがこのストラディヴァリウスなのだ。

 幾多の伝説を持つほどの高価な名器というのはやはり魔物か天使か・・・、小説だったらちょっとできすぎというようなハプニングやアクシデントそして感動が起こるものだ。

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