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赤木明登「漆 塗師物語」

漆 塗師物語
赤木明登「漆 塗師物語」を読んだ。塗師は「ぬし」と読む。
 赤木は1962年生まれ、1997年ドイツ国立美術館「日本の現代塗り物十二人」に選ばれている。どうしてそんなに早くに選ばれたのか、数ある職人のうち、どうして彼が有名なのか。しかもその作品はごく普通でそれほど高価でもない。お椀で15000円くらいであり、通常の輪島塗の平均的な価格。
 というわけでぼくの中ではかなりの有名人だったので27歳でマスコミの世界から職人修行を始めた修行記録に少しだけ興味があった。

 人との出会い、人のネットワーク、そして夫婦の絆。そんな少し背中がむずかゆくなる台詞が自然と浮かんでくるような記録であった。出版界の派手な生活、毎日午前様、そんな生活に決別して何の縁もコネもない塗り物の世界に唐突に飛び込むことは本人の勇気はもちろん、展示会の企画が職業で職人とはなんぞやというものをある程度分かっていた家族があってのことであろう。
 朴訥な親方、岡本進さん、紹介してくれたお寺の住職、そしてこの世界へのきっかけを作った角偉三郎。なかなか個性的な人と田舎の人のつながりが読んでいて気持ちが良い。年季明けの94年に「日本の現代塗り物十二人」の候補になるのも角偉三郎あってのこと。
 しかし職人はよく酒を飲むなあ。

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