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田淵行男「高山蝶」

 田淵行男「高山蝶」は1959年刊行。当時の定価3,800円が今だとどのくらいになるのか不明であるが(中古相場は10万円弱)、この本を手にした水越武が田淵への弟子入りを決意する写真集である。
 今回は都立日比谷図書館のものを地元の図書館経由で借りた。
 ぼくより古いこの本は95%以上がモノクロで時折まざるカラー写真はその多くがあとから貼られている。蝶の生態記録でありその生態のほとんどの時期が幼虫であるからきれいな蝶の写真集というよりは地味なイモ虫・毛虫の写真集である。田淵のポリシーは現場を観察することであり当然そのほとんどが山の中である。蝶の卵は葉の裏、幼虫は石の裏ですごすことが多いので常念乗越で無数の石を裏返す作業が続く・・・。後年の田淵の写真集に比べて本人のスナップが多いのは、昨年NHKの「小さな旅」にも出演した堀勝彦氏なども調査に同行していたためである。
 学術書としても一級品だろうが、山の写真を見ているだけでも楽しい。

 右端が気になる方はこちらをどうぞ。


いかにも学術書の雰囲気の表紙

巻頭を飾る江崎悌三先生の書簡

後の「日本アルプスの蝶」にも掲載された
中村清太郎の「高山蝶発見物語」

中村清太郎が発見したクモマツマキチョウ

見開きを飾るのは「山上黎明」
「日本アルプスの蝶」ではカラー版の同じ構図を使用

高山蝶の分布図

今は見られない安曇野のゲンゲ

高山蝶の生活環境

当時としては貴重なカラー写真

重要なページは日英併用

巻末の高山蝶概説は英語版も収録


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