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江上剛「霞が関中央合同庁舎第四号館 金融庁物語」

霞が関中央合同庁舎第四号館 金融庁物語
 江上剛「霞が関中央合同庁舎第四号館 金融庁物語」を読んだ。

 話はともかく題名が長い。霞ヶ関中央合同庁舎4号館とは金融庁がある建物であるが、建物名を出す意味がない。建物の中で物語が進行するなら、例えばフロアに分かれた部署ごとの闘争とかそういうのがあるなら建物名も意味があるだろうが、物語の舞台は主として検査に入った銀行である。
  物語の最初と最後に登場する金融庁を志望し内定したキャリア予備軍の学生の描写もちょっと不可解である。

 モデルは検査忌避が発覚したUFJ銀行。本店の書庫に「やばファイル」をダンボールで多数隠蔽し内部告発によって発覚するという例の話である。モデルがモデルだけに読み始めれば結末がわかってしまうのだが、そこはだんだんストーリーテラーとしての腕を上げている著者のこと、飽きさせずにエンディングを迎える。物語は兄が統括検査官、弟は銀行の広報部という2時間ドラマにはわかりやすい構成。見所は兄の検査官が上司とともに金融担当大臣に検査忌避が見られたことと引当不足を報告するところではないか、と思う。このとき一瞬考え込んだ大臣は微笑みとともに決断をする。UFJ銀行が東京三菱銀行に吸収合併が決まった瞬間である。もちろんこの部分はフィクションであるが、大きな事件は案外とこんな感じで決まるのかな、と思う。

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