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江上剛「円満退社」

円満退社
 江上剛「円満退社」を読んだ。
 3月31日、期末日の今日を無事すごせば「円満退社」となり十分な退職金をもらって第2の職場に行くことになる銀行の郊外支店の支店長の一日の物語。時代は金融庁主導の不良債権撲滅の嵐が吹いた近年の銀行に一番つらかったであろう時期。小説なので平穏な一日であるはずものなく、銀行全体で1年に1回あるかないかの事態がまとめて最後の一日にやってくる。

 金融行政の現場はもちろん知らないが、全体の数字のみを見てミクロの現場の実情を見ない(見ようとしない)のはどこの役人も一緒か。現場の銀行員がいかに金融庁を嫌っているかわかる作品である。
 1日の話にしては登場人物が多く、詰め込みの印象は否めないが、2時間ドラマを見るように読める。

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