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佐々木隆「「千と千尋の神隠し」のことばと謎」

「千と千尋の神隠し」のことばと謎
 佐々木隆「「千と千尋の神隠し」のことばと謎」を読んだ。宮崎アニメの解説本は以前に3冊ほど読んだが、正直、あまり面白くなかったが、今回のは面白かった。
 よく見ているなあと感じたのはヒロインの本名「荻野千尋」の「荻」がこの字ではなく、「つくりが火でなく犬」という話。千尋が湯婆婆と契約し、名前を取られてしまうシーン。このシーンの確認を含め、こちらの知識不足というか記憶不足を認識したので、1/4ほど読んだところで、「千と千尋の神隠し」のDVDを再度見直してから読み続けた。
 「千と千尋の神隠し」は最初見たときは各種の賞を総なめするほどのものとは思えなかった。
  ストーリーの面白さでは「ナウシカ」「ラピュタ」にかなわない、話の重さでは「もののけ姫」が上、軽快さと懐かしさでは「トトロ」「耳すま」が上、という感じで、ぼく自身のランクはいまいちだったのだが、見直してみたら、かなりランクが上がった。
 あとがきは「宮崎アニメをビデオで繰り返し見ているうちに、映画館で見たときはそれほど感じなかったシーンに改めて感激し」という書き出しで始まるが、まさにそんな感じである。
 著者は「トトロ」を100回以上見て、今までは「ナウシカ」「トトロ」「もののけ姫」「耳すま」を論じて来た大学教授。引用はアリストテレス、ニーチェ、ダ・ヴィンチからサンテグジュペリ、「不思議の国のアリス」など多種多用。ある意味では並べすぎで一部にはややこじつけっぽい部分もあるが、本質的には面白い。
 以下、目次
はじめに あらすじ
1 題名について
2 入り口
3 時計台と時計について
4 ゴースト・タウンの店
5 夢とファンタジーについて
6 癒しから働くことへ
7 飛ぶということ
8 神と人間
9 ハクという少年と千尋
10 「カオナシ」について
11 両親が豚になったことについて
12 顔と名前について
13 油屋とは何か
14 湯婆婆から銭婆へ
15 騒動の後始末
16 最後の試練
補論
あとがき

最初に映画を見たときから「カオナシ」が気になっていた。それと最後に12匹の豚から両親を当てるシーンでなぜ正解できたのかが気になっていたが、それなりに納得できた。

なお、本書を読むには「千と千尋」はもちろんだが、「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「もののけ姫」のアニメは見ておいたほうが良い。

ちなみに「千と千尋」の企画では当初、柏葉幸子「霧のむこうのふしぎな町」のアニメ化を検討していたが、この本は「耳をすませば」の図書館のシーンで天沢聖司が読んでいるそうだ・・・。

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『千と千尋の神隠し』 <ストーリー> わがままで無気力、どこにでもいるような 現代っ子の千尋は、引越しの途中で、 不思議な町に迷い込む。 謎の少年ハクに手引きされ、 八百万の神様たちが入浴しに来る「油屋(ゆや)」で 「千」と呼ばれながら働くことになった千尋。 ..... [Read More]

Tracked on 2006.08.17 at 00:57

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