田淵行男「北ア展望」

「北ア展望」は1966年に刊行された田淵行男の写真集である。翌1967年刊行の「山の時刻」では一部でカラー写真を使っているが、この写真集は巻末「撮影雑記」にあるとおり意識してモノクロだけになっている 「展望」という題名のとおり展望写真が主体であり、それゆえにありふれたアングルにならないような田淵の苦心が巻末で語られている。いずれも珠玉のモノクロ作品であり、落ち着いている。
サイズもB5でソフトカバーなので、ハードカバーの大型本よりも気楽に手にとって眺める気になる1冊である。もっとも中古の出物はきわめて少なく、価格的には気楽ではないが・・・。 。
作品は地域ごとに、I 梓にそうて、II 槍・穂高周辺、III 後立山ところところ、IV アルプス銀座、V 剱をめぐりて、と分かれて、89枚の作品が収録されている。「アルプス銀座」では他の作品集ではあまり見かけない、燕岳や黒部五郎の写真が収録されている。
田淵のモノクロ写真のすばらしさに触発されて、自分のデジカメの写真をレタッチソフトでモノクロにしてみたりするが、全然良くない。モノクロは難しい。


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